9月の定款を読む会は9/28です
8月の定款を読む会は、NPO法人を設立したい方、NPO会計基準に詳しい人、定款を読むのが好きな人、3団体が集まりました。時間が足りずに解決できなかったところは、サロンの個別相談で解決することにしました。次回は9/28に開催します。
イベントの情報提供でも、事業報告書の書き方でも、役員に関することでも、なんでもみんなで解決しましょう。
8月の定款を読む会は、NPO法人を設立したい方、NPO会計基準に詳しい人、定款を読むのが好きな人、3団体が集まりました。時間が足りずに解決できなかったところは、サロンの個別相談で解決することにしました。次回は9/28に開催します。
イベントの情報提供でも、事業報告書の書き方でも、役員に関することでも、なんでもみんなで解決しましょう。
2024年7月25日(木)18:30~20:30、オンライン(zoom)で
基盤強化セミナー「NPOの成長を目指す4つのステップ」第2回『情報発信について学ぼう』を開催いたしました。
講師は第1回に引き続き、公益財団法人 日本非営利組織評価センター 業務執行理事
山田 泰久 氏です。
参加者はNPO法人14名、市民活動団体4名、個人2名、中間支援センタースタッフ2名、行政職員1名 計23名です。
第1回「ミッションビジョンを言語化してみよう」の内容を踏まえ、第2回は「情報発信について学ぼう」をテーマに、情報発信の重要性と、具体的な方法、ポイントについて学びました。
《内容》
◆はじめに
第1回で学んだように、「よい団体とは、よい活動とよい情報発信をしている団体である」。
せっかく価値のある活動をしていても、数多くのNPO法人、市民団体、ボランティア団体等がある中で、発信ができていないと、埋もれてしまい、必要な人に団体の存在が知られず、認識してもらえない状態になってしまう。
一昔前だと、団体のホームページがあるということに意味があったが、今は誰でもホームページが作れる時代で、より情報を届ける相手と目的を意識した情報発信が必要になっている。
そもそもNPOの情報開示・情報発信の意義とは
①NPOセクターの立場で
→より多くのNPOが情報発信することで、NPOセクター全体の信頼度をアップする。
②市民の立場で:地域メディアとして
→専門的な情報を必要としている人に、情報を届ける
→自ら情報発信できない人に代わって発信する
③団体の立場で
→団体や活動を維持するための資源を獲得する
★団体の活動のための情報発信にとどまらず、地域メディアの役割を果たす
活動の可視化 と 活動の価値化 (第1回の復習)
活動の可視化→活動の中の感動を伝える
・・活動の現場の様子を、文字、写真、動画で伝える
活動の価値化→価値にして伝える
・・自らの活動がどんな価値(受益者にとってのメリット、地域への貢献)を生み出して
いるのか、自ら言語化して発信する
★活動している自分たちに取っては当たり前と思われることを、第三者にわかりやすく伝える
2024年現在、NPOの情報発信・・今は「半々時代」
紙もインターネットもそれぞれ大事
→情報を届けたい相手に応じて、ツールを使い分ける必要がある!
※今回は、主にSNSを中心に情報発信のポイントを学びます。
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SNSで情報発信するにあたって
まず、普段自分がどのようにインターネット、スマホを使っているかを考えた上で、
情報を届けたい相手がどのように情報収集しているかを意識する。
発信する際は、PCで操作することが多いが、受け手側がスマホで見ていることを意識する。
→実際にSNSの画面を見て、特徴をとらえよう
【facebook】 写真中心、30代以上のユーザーが多い。
市民活動・NPOセクターでは利用者が多い。
【X】(旧Twitter) 写真や、各種情報の共有、ユーザーの世代も様々
→団体として有効な活用は難しい、まずは個人の情報収集のツールとして
【Instagram】写真中心、いわゆる「インスタ映え」する華やかな活動の発信に向いている
→NPO、市民活動の地道な活動を発信するのは難しい場合も
NPOのweb系情報発信の整理
ストック情報
(団体のホームページやブログ)
:蓄積される情報
フロー情報(facebookやX)
:SNSで流れていく情報
(※googleなどの検索対象にならない)
→どちらも大事、バランスよく
ネット上で信頼してもらうために~信頼の3つのポイント(第1回の復習)
①団体概要 →組織運営への信用
②活動 →活動内容への信頼
③役員・スタッフ→人への共感
・・人は人にしか共感しない。活動している人の顔写真、集合写真を載せると、
雰囲気が伝わり、安心につながる
→団体・活動・人のセットで信頼してもらう
団体としての情報発信のコツ
①定期的に、継続的に
→更新頻度が高いと、検索したときに上位に上がってくる
②なるべく手間をかけずに発信する
→毎回、ゼロから作るのは大変、フォーマットをつくるなどの工夫を
③分業体制をつくる(文章書く人、写真撮る人、サイトにUPする人)
→それぞれ得意分野を活かしてもらって役割分担するのが望ましい
④紙の会報誌等の原稿をネットにも流用する。
→「半々の時代」の今、それぞれ見ている人ちがう。
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「NPOの情報発信のコンセプト」
◆発信内容
①信頼
・団体の「基本的な情報」(ストック情報)・・年に1回
→自分たちは何者なのか(団体名、連絡先、代表者、設立趣旨、理念)
・団体の「活動・事業情報」(フロー情報)・・月に1回~年に4回
→自分たちは何をしているのか(事業計画・年間計画・イベント案内・活動レポート)
・団体の「財務情報」(ストック情報)・・年に2回(予算・決算)
→何にいくらお金を使っているのか?(収支予算・決算、誰からどのようにいくらの収入があるか等)
②共感
・・団体の活動を知ってもらい、その必要性を理解してもらう。
キーワードは追体験と感情移入、
登場人物は「受益者」「NPOスタッフ」「支援者(寄付者)」
→「自分も関わりたい!」と興味、関心をもってもらう。
③ 問題提起
・・マスメディアが伝えない、地域の状況や社会の課題を伝える
→活動団体であると同時に、地域メディアとしての役割が求められている
◆発信の目的
① 説明(従来の情報発信)
・・団体や活動を知ってもらう、理解してもらう
②コミュニケーション
・・情報の受け手との関係づくり、関係を深めるための情報発信
③アクション
・・情報の受け手に対して、寄付やボランティア、イベントなどのアクションを
誘発させるための情報発信
◆発信主体
正式な発信は団体として行う
→代表者もしくはNPO関係者が個人として情報発信を行う
→支援者・寄付者・参加者に情報を拡散してもらう
情報発信にあたって気をつけること
・個人情報保護法
小規模事業者や自治会、同窓会も含む全ての事業者が対象です。
※参考:これだけは知っておきたい「個人情報保護」のルール
→https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201703/1.html
・SNSで気を付けること
セキュリティ
・・位置情報、パスワード管理
プライバシーを守る
・・自分のプライバシー、相手のプライバシー(顔写真を載せる時など了承を取る)
暴言・悪口を書かない
・・すぐに拡散してしまう→団体の信用も傷つく
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まとめ:地域のNPOのインターネット情報発信
まず(必須)
★ホームページ
★ブログ
★地域のポータルサイト
余裕があれば・・
★facebookページ
★メルマガ
さらに・・
★全国規模のポータルサイト
★You Tube などなど
具体的な秘訣・ヒント・テクニック
例えばブログの場合
・・記事内に検索されやすいキーワードを盛り込む
→地名、施設名、イベント名、NPO、分野に関するキーワード
・・1週間に3日、1年間で150記事を目指す
まとめ:情報発信の目的とツールの整理
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NPOならではの情報発信の難しさ、また今の時代に合った情報発信のポイント、コツをわかりやすく講義して頂きました。
最後に講師から、情報発信を「漢方薬」に例え、即効性はないけれどじわじわ効いてくる、という話がありました。まず今日できることから、例えばブログを書く等、それを継続すると、半年後に団体の地域における知名度が上がったり、協力者、支援者が増えるといった変化が出てくることが期待されます。
今日を機に半年、がんばって続けてみましょうと講師から応援のメッセージを頂きました。
NPO・ボランティアサロンぐんまでは、今日の講義の中でも紹介されたツールを使ってみたいという団体に、基本的な使い方を教えることもできます。
これを機に団体の情報発信を見直そう、新しいツールを使ってみようと思った団体は、ぜひサロンにご相談ください。
2024年7月13日(土)13時半から16時半
群馬県庁2階ビジターセンターにて
基盤強化セミナー「NPOの成長を目指す4つのステップ」第1回ミッション・ビジョンを言語化してみようを開催いたしました。
講師は公益財団法人 日本非営利組織評価センター業務執行理事 山田 泰久 氏です。
参加者はNPO法人13名、市民活動団体6名、個人2名、中間支援センタースタッフ5名、行政職員1名 計27名です。
このセミナーは4回の連続でNPOの運営に必要な内ノウハウを学ぶことができます。
第1回のテーマは「ミッション・ビジョンを言語化してみよう」です。
内容
なぜ、NPOは情報発信するのか?
NPOの活動は外から見て分かりにくいもの。よい団体は、よい活動とよい情報発信を行っている。
第1回 「ミッション・ビジョンを言語化してみよう」山田 泰久 氏 資料より
組織の外部に対して
活動の中の感動を文章、写真、HPなどに可視化する
活動を通じて得られるものを価値化する
組織の外部に対して活動を分かりやすく伝える→共感が生まれる→組織の発展へ
組織の内部に対して
団体内の情報を共有することで活動の理念を共有する
オープンであること=人、場所に資源が集まる NPO活動を継続するために不可欠
誰もが市民活動に参加できる機会を提供する
ミッションとビジョン 団体の内外で共通認識できるものを整理する
ミッション 役割
団体の使命や存在意義・組織の理念・目的 地域や社会の中での役割
ビジョン どうなりたいか?
組織の目指す理想の姿・中期的目標・恒常的な活動 達成したいこと
NPOの情報発信の大前提を確認する
第1回 「ミッション・ビジョンを言語化してみよう」山田 泰久 氏 資料より
2つの情報発信の方向性、必要性
① 組織に関わるスタッフ、ボランティアや寄付者等の支援者のため
② サービスを受益する人、その家族や専門支援者、行政関係者等 受益者のため
→NPO最大の特徴でもある
団体が伝えたいことより、相手が知りたいことを発信する
HP,ブログ 雑誌のようなもの 団体での発信
SNS ネット上での雑談、口コミ 個人での発信
誰に情報を伝えたいか?
年代、ライフスタイル等対象によってインターネット、紙媒体の両方を使い分ける必要(例:過去の紙媒体の情報もネットに掲載する)
情報発信の目的、発信後に何を目指すか設定した上で情報発信を行う
説明→団体や活動を知ってもらう
コミュニケーション→情報の受け手との関係づくり
アクション→寄付やボランティア、イベント参加など
発信の仕方、発見のされ方
ネット上で信頼してもらうために情報開示、提供、情報開示しているという姿勢
信頼を得る3つのポイント 団体(組織運営)、活動(活動内容)、人(役員、スタッフ)
情報発信力を高める
発信する情報の年間、月間スケジュールを作成
同じ分野で情報発信の上手な団体をお手本にする
情報を届けるターゲットを絞り、イメージをした情報発信を行う
ターゲット層が利用しているツール、見ているサイト、時間帯を調査し効果的な情報発信を行う
講座の中でワークショップも行いました。
参加者の方3,4名でグループになり内容を共有
1.ミニワーク 団体の情報発信状況を共有する
2.ミッション・ビジョンを言葉にする
地域や社会の視点と組織やメンバー内の視点で考える
まとめ
様々な情報発信ツールがあり、情報に溢れている昨今。
多くの情報の中で団体の情報を埋もれずに探してもらうにはどうしたらよいか?
届けたい人を具体的に設定し、情報発信した後に起こしたい変化を想定し計画的な発信を行うことの必要を学ぶことができました。
またそのためには、まず自分達で団体の活動を的確に表現できることが不可欠です。
普段は活動に追われがちですが、ワークを通じて団体の活動を振り返り、
ミッション・ビジョンの言語化をして、整理する機会になりました。
県内のNPO法人のHP調査結果からは、サービス受益者に関する情報は多いと感じましたが(施設の案内、利用料など)
一方で法人を支援する側の人に対する情報は少ないのが現実です。(役員、決算報告等の団体の基本情報の公開、寄付、入会、ボランティア募集など)
参照:2019年度 NPO法人の情報公開の状況についての調査
https://nposalon.kazelog.jp/npo/2020/02/post-5e7d.html
外部と内部に対して情報発信を行うという方向性を常に意識することが、重要になってくると思いました。
団体の年間事業について話をしたい人、聞きたい人、7月は出会いの月です。NPO法人の先輩に聞きたいことがある人、お待ちしています。
NPO・ボランティアサロンぐんまでは、下記の通りセミナーを開催いたします。
ミッション、ビジョンの見える化から、情報発信、支援獲得まで学べる、連続講座となっております。
セミナーの申込は、【こちら】からどうぞ!
いつもNPO・ボランティアサロンぐんまのブログをご覧いただきまして、ありがとうございます!
今回は2024年3月23日(土)に開催した、「初めての決算セミナー」午後の部の開催報告になります。
このブログでは…
助成金について
会計基準
簡単エクセル会計実務(希望者)
会計王実務(希望者)
の4つについての開催報告をご紹介します!
助成金について
群馬県共同募金会 星野 様
実際に助成するにあたり、星野様が見ているところを紹介してくださいました。
助成する側もどんな団体や法人なのかしっかり見ているということが分かりました。
また助成金に応募する時、どんなことを書いたらいいのか・書類のどんなところ見ているのかなど貴重なお話を聞くことができました。
応募する際、どんな活動をしてきたのかという点に重きを置いて書こうとしてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか?
どんな活動をしてきたのかももちろん大切ですが、助成する側は今後どう事業を展開していくのかその道順も書かれているか、計画性などがあるかどうかも見ているということが分かりました。
【15団体 21名 参加】
会計基準
NPO・ボランティアサロンぐんま コーディネーター
なぜNPO法人会計基準があるのか?
どうして決算書を作成する必要があるのか?
決算書も毎年度作成して、提出が必要になってきます。
この決算書は助成金の審査などでも見られている部分になってきます。
また決算書は提出した後は修正は行われず、外部に公開されます。
そのため会計基準がどんな内容なのかという説明がありました。
実務的な部分は、下記の内容で行いました。
(実務の部分は、希望者の方がご参加されました。)
【15団体 21名 参加】
簡単エクセル会計実務(希望者)
講師:NPO・ボランティアサロンぐんまコーディネーター
規模の小さい法人に向けて、無料でダウンロードできる「簡単エクセル会計」の実務演習を行いました。
受講者は、実際に「簡単エクセル会計」を操作しながら、例題を元に入力して数値が合っているかを確認しました。
「簡単エクセル会計」は「期末に現預金以外の資産・負債を持たない」小規模法人向けのツールです。それぞれの法人ごとに、仕分け項目等をカスタマイズでき、簿記の知識がなくても日々の入出金をその都度入力していけば、年度末にはほぼ自動的に決算書を作成することができる便利なツールです。今回は、設立して間もない法人の参加が多く、「これなら自分たちのの団体で今後活用できる」という声が聞かれました。
「会計王」実務(希望者)
→会計ソフト機能及び導入の説明
会計王についての説明は、NPO・ボランティアサロンぐんまコーディネーターが行いました。
2法人3名が参加しました。
NPO会計基準での会計ソフトは複数ありますが、会計王は大変使いやすいソフトです。
決算書類も自動で作成できます。
このソフトでは、部門分けが可能のため事業ごとの管理が可能です。
また、電子帳簿保存法にも対応しています。
法人税法上の収益事業を行っている団体が会計ソフトの契約を検討されている場合は、税理士・会計士の担当の方にご相談のうえ、対応が可能なソフトの導入をお勧めします。
大きく2つの項目に分けて説明していただきました。
法人税法上、34業種が収益事業に該当します。
NPO法上の「その他の事業」と、法人税法上の「収益事業」の考え方は、下記のようになります。
NPO法上では、「その他の事業」とされない事業であっても、法人税法上は「収益事業」と判断される場合があります。
NPO法人は、株式会社などのように営利を目的としている法人ではないため、現行の法人税上の収益事業から生ずる所得のみが課税対象とされています。
そのため、NPO法人の本来の目的である、非営利活動に係る事業であっても、その事業が法人税法上の収益事業に該当する場合は、法人税の課税対象となります。
具体的な事例として、(1)国や地方公共団体等からの委託事業を行なっている、(2)バザーに関することをお話しいただきました。
法人税の申告や法人税法上の収益事業について、不明な点は所轄の税務署にお問い合わせいただくことをお勧めします。
①県税(法人の事業税・法人の県民税)
設立した日から2ヶ月以内に「法人設置申告書」を所管の行政県税事務所に提出が必要です。法人税法上の収益事業を行なっていない場合でも提出が必要ですので、注意が必要です。
また、法人税法上の収益事業を行う場合とそうでない場合では、申告及び納付の方法が異なります。
法人税法上の収益事業を行わない場合は、法人の事業税は課税されませんが、法人の県民税の均等割は課税されます。毎年4月30日(4月30日が土日振替休日の場合は翌日)に所管の行政県税事務所に申告納付する必要があります。
ただし、法人税法上の収益事業を行わない場合には、申請により法人の県民税(均等割)が減免される場合があります。
減免を受けようとするNPO法人は、毎年4月30日(4月30日が土日振替休日の場合は翌日)までに「法人の県民税減免申請書」を所管の行政建材事務所に提出してください。
②市町村税(法人の市町村民税)
市町村にもNPO法人を設立した旨の届出が必要になります。また県民税と同様、税法上の収益事業を行わない場合、法人税割は課税されませんが、均等割は課税されます。ただし、こちらも減免申請することで減免される場合があります。詳細は、市役所及び町村役場にお問い合わせください。
NPO法人は、毎事業年度終了後3ヶ月以内に事業報告にかかる書類を提出する必要があります。
事業報告書は、所轄庁に提出するだけでなく、団体内部で事業を振り返り、次に活かすこと、また会員やボランティア、寄付者、その他の関係者への報告にも活用できます。事業報告書は内閣府のポータルサイトで公開されます。
公開された情報は、市民や企業、行政、助成財団等が見ていることから、今後のNPO法人の発展に繋げるためにも、工夫が必要になります。
初めて事業を知る人にもわかりやすい文章、用語の統一、言葉使い、引用の出典元の明記、個人情報が適切に扱われているかなどに注意し、複数のスタッフで作成、校正などを行うことをお勧めします。
説明者:NPO・ボランティアサロンぐんま コーディネーター 真下 真帆
理事の役割と責任として、事業評価、事業分析、事業・予算計画、中長期計画・資金計画など、通常業務の中でも責任が伴います。他にも資金調達や広報、情報発信、理事会や総会に関わることなども、理事の役割となります。監事の役割としては、業務、会計の監査、総会での報告があげられます。
また、毎年の所轄庁に提出する事業報告書だけでなく、貸借対照表の公告も行っていただく必要があります。今回NPOサロンで実施した決算書調査によると、定款通りに公告がされていた団体は7%。公告していない団体が25%。不明が68%という結果が出ました。定款で貸借対照表の公告の「掲示場」となっている場合、確認ができないことから「不明」の率が高くなっていることも理由にあげられます。
NPO法人の信頼性を向上させるために、適切な情報開示と、役員が日頃から随時自己監査を行い、その結果を踏まえ、監事が監査をするということが重要です。
※なお、2022年度決算書報告の詳細については下記のリンクからご参照ください。
①NPO法人の書類提出部数について
各種手続きに係る書類の提出部数がすべて1部になりました。
②住民基本台帳ネットワークの活用による住民票の添付省略について
就任承諾書及び誓約書使命を本人が自署しており、住民基本台帳ネットワークシステムの利用を希望する旨及び生年月日を記載した場合は、住民票補添付を省略できます。
③内閣府ウェブ報告システムについて
群馬県では、「内閣府ウェブ報告システム」によるオンライン申請・届出等の受付が令和6年3月より始まりました。
これまで書面で提出していた申請・届出等について、オンラインで提出が可能になりました。これまで通り、書面による申請・届出等も受け付けています。
(注意)
内閣府ウェブ報告システムについての手続きマニュアルは、下記のサイトからご確認ください。
◆日時:2024年3月7日(木) 13時30分~15時00分
◆場所:NPO・ボランティアサロンぐんま
◆事例発表:
NPO法人共に暮らす 代表理事 アジズ・アフメッドさん
NPO法人居場所作りサポートsamiitos 理事長 今田裕子さん
◆パネルディスカッション・ファシリテーター
NPO法人ターサ・エデュケーション 代表 市村均光さん
◆参加人数:9名(会場)、12名(オンライン)
今回の「DX活用事例発表会」では、デジタルトランスフォーメーションを活用して、子ども支援に取り組んでいる2つの団体さまから発表していただきました。
NPO法人共に暮らす(ともくら)代表のアジズ・アフメッドさんは、日本で仕事をしていた父親と一緒に暮らすため、9歳の時に家族と一緒にパキスタンから来日しました。
現在は企業の広告や映像制作などを手がける、合同会社NOW NEVERの代表でもあります。
▲NPO法人共に暮らす 代表理事 アジズ・アフメッドさん
アジズさん、来日当初は当たり前ですが日本語が全くわからないまま、公立の小学校に入学しました。渡日の子どもたちは大人に比べると、比較的早く日本語を習得することが多いのですが、その場合子どもが通訳をするということがよく見受けられます。
実際、アジズさんも日本語ができるようになると、保護者の通院や行政手続きのため、学校を休んで付き添うというような経験をしてきました。このような子どものことを「ことばのヤングケアラー」といいます。
本来なら子どもは勉強をしたり、友達と遊んだり、部活をしたり、将来に思いを馳せたりと…と、子どもとしての時間が必要なはずなのに、「ことばのヤングケラー」となっている子どもたちは、その時間を家族のために費やしています。かといって家族も他に頼る術が少なく、身近な子どもに頼らざるをえないという現状があります。
また学校や役所、病院などでも双方とコミュニケーションができる子どもたちに、つい頼ってしまっていることについて、子どもに負担がかかっていることを理解しつつも、他に術がないという場合もあります。
アジズさんは大学時代、日本語教育をテーマに研究。自身の子どもの頃の経験にもとづき、日本の小学校で必要な持ち物を説明する動画を制作しました。日本の学校文化は独特で、外国人にとって理解することが難しいとのこと。このような説明動画があることで、正しい情報が入り、子どもや保護者そして学校などの負担が軽減されます。
▲持ち物動画。Youtubeで公開されている。
また日本と違い、高校まで義務教育の国もあるため、日本では高校入学のための試験があることについて理解されていないこともあります。
高校入学や将来の職業選択について動画などを活用し、多言語で広く発信することで、子どもたちの将来の選択肢が広がることが期待されます。
ともくら YouTubeチャンネルでは、小学校で必要となる持ち物動画や、2023年に開催された「日本の高校、専門学校、大学の進学と職業がよくわかるセミナー」についても動画で見ることができます。今後は、それらを多言語化していきたいと考えています。
www.youtube.com/@tomokura-official
また、ショート動画でも「ことばのヤングケラー」などについて、わかりやすく解説したショート動画を発信しています。
NHKのサイトでの取材記事もぜひご覧ください。
https://www.nhk.or.jp/shutoken/wr/20221124a.html
2団体目の発表者は、NPO法人居場所づくりサポートsamiitosu(サミートス)理事長の今田裕子さんです。
サミートスさんは高崎駅からほど近い店舗を拠点として、子ども食堂・学習支援・地域の居場所づくりを三本柱とした活動をされています。特に学習支援活動では、直接指導の他、オンラインでの学習を軸に、児童養護施設や生活困窮家庭の子どもたち1人ひとりに寄り添う学習の場を提供しています。
▲NPO法人居場所作りサポートsamiitos 理事長 今田裕子さん
2020年のコロナウイルスによる感染症拡大を防ぐために行われた「一斉休校」をきっかけに、オンライン授業に踏み切ることになりました。送迎の必要がなく、遠方の子どもへの支援も可能になり、隙間時間を活用するなどのオンラインのメリットがわかってきたそうです。
オンライン授業に手応えを感じたことから、2021年度は児童養護施設での個別指導をスタート。2022年度には、生活困窮家庭や学習が苦手な生徒たち、不登校の小中学生へと無料学習支援の対象者を拡大しました。
オンライン授業を支えるのは、主に東京在住の大学生の有償ボランティアたちです。彼らもまたコロナ禍でアルバイトが減ったりと、厳しい状況になっていました。東京からでもボランティア活動ができるのはオンラインならではです。
生徒や講師が増えるともちろん授業も増えます。そうなってくると難しくなるのが、生徒と講師のスケジュール調整です。なんとか負担軽減できないかと思い、開発したのが「スケジュール登録・管理」アプリです。お客さん(会員)にプログラマーの方がいたこともあり、開発に1年半かけ、2023年夏よりスタートし、現在は試用期間中です。講師が空いている時間を登録し、生徒はそれを見て授業を予約するというシステムです。一見すると単純なようですが、開発には時間も費用もかかっています。
▲講師は、空き時間を登録
▲生徒は、学習したい時間などを選択
このアプリを使うことで、大学生の講師たちにとっては、自分たちの空き時間を登録することができ、時間の有効活用ができます。生徒側は、自分で授業を予約することができるので、より主体的にかつ積極的に学習に取り組む姿勢が生まれてきたそうです。以前は、ドタキャンも多かったとか…。
このスケジュール管理アプリが機能することで、管理者であるサミートスさん側もスケジュール調整に時間を費やすことが減ったことで、その時間を学習支援に充てられることになり、また授業が成立しない時の謝礼に悩まされることもなくなったそうです。
後半のパネルディスカッションでは、NPO法人ターサ・エデュケーションの代表理事である市村さんがファシリテーターをつとめてくださいました。
▲NPO法人ターサ・エデュケーション 代表 市村均光さん
市村さんのNPO法人でも学習支援活動をされています。NPOは、制度になっていなかったり、マイノリティの声を受けて、活動や支援を始めることが多いということ。前半の発表を踏まえ、また参加者からの質問にお答えしながら、「子ども支援」×「DX」について、さらに深掘りしていただきました。
参加者の皆さんも気になっていたことだと思いますが、オンライン上でコミュニケーションがうまくいくのか? リアルな場面での信頼関係があってこそ、オンラインでの信頼につながるのでは?と思っていました。
今田さんによると不登校の子どもたち、生活困窮家庭の子どもたちは、まず顔を出すことからして戸惑いがあるそうです。実際のオンライン学習支援でも顔は出さず、教材を画面共有をすることで、授業にも集中できるとか。
DXは、今の時代にあった子どもの支援が可能になるのではないかと今田さんは考えています。昔の日本と違って、人と人との関わりが薄くなっているのが現在の社会の姿です。
しかしオンライン学習支援を通して気づいたこととして、オンライン上であってもコミュニケーションが生まれ、信頼関係を育んでいくことは可能であること。実際に会う機会はなくても、継続して学習を続けることで小さな成果が積み重なり、成功体験となります。小さな成果をその都度、SNSを通じて保護者に伝えることで、保護者とも信頼関係を築いていくことができます。
たとえオンライン上であっても子どもたちが安心して学べる場があり、また信頼できる人とつながっていることは、子どもを通じて保護者への支援にもつながっていると手応えを感じているそうです。
コロナ禍で必要に迫られ始めたオンラインでの学習支援が思わぬ効果をうみ、さらにアプリ開発へと発展している事例ですが、オンライン授業をする中で、その良さに気づき最大限に活用しているサミートスさんの活動。
声だけ、文字だけでも、オンライン上がサードプレイスになり得るということに、学習支援だけでなく、他の活動でも参考になると感じました。
ともくらさんでり組んでいる、小学校で必要な持ち物動画などは、一見子どもを対象としているようですが、保護者にこそ必要な情報です。外国人への直接の支援として、ぐんま外国人総合相談ワンストップセンターが設置されていたり、市役所でも相談窓口を設けています。
県内には各地に日本語教室もありますし、医療通訳を担うボランティア団体もありますが、言葉の壁もあることからその情報にアクセスすること自体が難しい現状があります。またご近所付き合いなども希薄ということもあり、直接情報を得る手段が限られています。
今後、ともくらさんでは、このような情報をまとめて検索できるようなポータルサイトの開発も検討しているそうです。本来なら行政が取り組むことではないのかと、多少の疑問もありつつも、現状を少しでも変えていきたいという強い思いがあります。インターネットを活用することで、困っているときにすぐに調べられるということは、とても重要なことです。
話が深掘りされていく中で、共通していたことは「子ども支援」は、子どもだけが対象でなく、保護者への支援ということでした。
オンライン、デジタルでの関係性は一見すると希薄のような気もしますが、対面ではできなかったことや、難しかったことをデジタルを活用することで、その隙間を埋めることができるという可能性を感じました。
また学校や行政、他団体など、様々な社会資源とも、リアル+オンライン上でしなやかにつながっていくことで、時間はかかるかもしれませんが、一歩ずつ課題解決に近づくのではないかと思います。
また市村さんから、NPOはボランティアとの調整がとても大変で、かつ収益も上がりづらいということも多い中、サミートスさんのようにアプリを開発し、活用することで負担が減り、事業の継続や発展につながっていくことは、「DX化」の大きなプラス要素というお話もありました。
「子ども支援」、「DX化」。どちらも課題が多く、団体にとっては「DX化」も大きな悩みかもしれません。2団体の発表とパネルディスカッションから、今後の活動のヒントにつながっていただければ幸いです。
こどもたちや中高生に向けた支援について学ぶことができ、またその支援にデジタルを交えることでより手厚い支援ができるような仕組みを作ってらっしゃる皆さんのお話がきけたこと。
外国にルーツを持つ子どもたちや、その保護者を環境面からも支援すること、その居場所支援の大切さと大学生が社会経験をできることの大切さを当協会の学習支援でも伝えていきたいと思います。
《お詫び》
今回のセミナーでは、会場とオンラインでのハイブリッド開催とさせていただきました。『DX』セミナーにもかかわらず、発表者の顔がオンライン上では見られなかったことなど、不慣れな部分がございましたことをお詫び申し上げます。サロンとしましても、コミュニケーションを第一に「DX化」を進めていければと思います。
◆今回、登壇していただいた、3団体様のWEBサイトもぜひご覧ください。
2024年1月27日(土)、午前10時より県庁昭和庁舎35会議室にてNPO法人向けセミナー「NPOが信頼と共感を得るための情報発信」を行いました。
参加者はNPO法人13名、中間支援センタースタッフ2名、企業1名、その他2名 計18名です。
講師は公益財団法人日本非営利組織評価センター 業務執行理事の山田泰久 氏に務めていただきました。
山田泰久 氏
NPO法人の活動に不可欠の情報発信とは、効果的なSNS活用方法、情報発信の意義について学びました。
内容:あらためて情報発信を考える~SNSを活用しよう~
・情報発信・情報開示はなぜ必要か
・情報を伝えたいターゲットを絞り込む
・ターゲット層別のSNS活用状況を知る
・ミニワーク:情報発信の状況についてグループで共有
・各サイトの使い分けについて(HP、ブログ、Facebook,X)
・個人情報保護法について
誰に、何を、どのように届けるのか?
・NPO活動は外から見てわかりにくい、活動の可視化&価値化をして感動を伝え、共感を得る
・団体概要、活動、役員やスタッフの情報開示→組織運営への信用、活動内容への信頼、人への共感のセットでより信頼を得る
・NPO法人の情報発信のコンセプト
内容:共感、信頼、問題提起(地域課題についてetc.)
目的:説明、コミュニケーション、アクション
発信主体:団体、個人、参加者
・インターネットの大幅な普及、紙媒体も一方でまだ必要…情報を届けたい人に応じてツールを使い分ける
SNS、ブログ活用について
・ホームページ、ブログ 検索して探す、雑誌のようなもの 団体で発信 固定的情報
・SNS ネットでの雑談、口コミ、個人で発信 流動的情報
・年代別SNS利用状況
10~20代…スマホによるネット利用が多く、TV,PCをあまり見ない 検索は動画でLINE,Twitter,Instagram,Tik TokやYoutube
30代…Facebook利用者が半数くらいに
50代…SNS利用少ない、メール利用
参考:最近の情報事情「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
https://www.soumu.go.jp/iicp/research/results/media_usage-time.html
※情報を届けたいターゲット層が活用しているツール、使用する時間帯に着目し、効果的に情報発信をする!
各サイトの使い分け
HP…団体の基本情報 ネット上のパンフレット
ブログ…団体の活動記録、報告 過去の記録が蓄積&検索可能
Facebook…個人のネットワークを広げる
X(旧Twitter)…団体としてのお知らせ情報をいち早く届ける
Instagram…写真中心、ユーザーの興味関心に合わせた運用 #ハッシュタグによる検索
Youtube…最近は広報よりノウハウなどのコンテンツ提供
Line公式アカウント…メルマガ感覚の情報発信
※HP,ブログの基本情報にSNSを組み合わせて使うと効果的!
情報を更新していないと、団体の活動休止していると捉えられてしまいます。マメに更新しましょう!
山田氏の資料より
分野×地域で一番詳しい団体
今や、誰もがインターネットであらゆる情報を検索できる時代になりました。
情報に溢れかえった状態であり、情報を検索する人が考えているキーワード、細分化された地域の情報がより求められるようになりました。
NPO法人で情報発信を行う際、活動分野とその活動について地域で一番詳しい団体として、地域での専門性をアピールすることが求められています。
団体のHP上で、地域に求められる情報(例えば障がいのある子どもに関するサービス等)を得ることができれば、情報を探す人がこの団体のHPを再度閲覧する可能性は高く、また確かな情報提供してくれる団体としての信頼度も得ることができるのです。
個人保護法について
・個人情報…氏名、生年月日、住所、顔写真などにより特定の個人を識別できるもの
・個人情報を扱うすすべての事業者が対象になり、個人保護法のルールが定められています。
・使う目的をきちんと説明する、勝手に目的以外に使用しない、しっかり保管するのが基本ルールとなっています
個人情報保護法(政府広報オンライン)
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201703/1.html
感想(アンケートより)
・SNSのトレンドとNPOとしての取り組みが知ることができた
・それぞれのSNSの特徴やアルゴリズムに応じた投稿内容など勉強になった
・年代別のSNSの利用状況が確認出来て良かった。有益な情報が多かった
・見てほしい相手にあったSNSとブログが必要であることがわかった
・HPの重要な情報が発信できてるか確認の必要があると思った。信頼性を高めるために何をしたら良いかよくわかった