NPOの成長を目指す4つのステップ③【信頼される組織運営】
2024年8月7日(水)18:30~20:30
オンライン(zoom)にて、基盤強化セミナー「NPOの成長を目指す4つのステップ」の第3回【信頼される組織運営】を開催しました。
講師は前回に引き続き、公益財団法人 日本非営利組織評価センター 業務執行理事
山田 泰久 氏です。
参加者はNPO法人13名、市民活動団体6名、中間支援スタッフ3名の計22名です。
第1回、第2回では、団体が信頼されるための情報発信を行っていくという内容でしたが
それを踏まえて第3回では、「信頼される組織運営」をテーマに、NPOの組織運営について「信頼」とはなにかを詳しく講義していただきました。
内容
はじめに
【NPOの信頼】託される立場として信頼してもらえるか。
共感
・団体の活動に共感してもらうことがまずは大切!
期待
・こんなことをしてくれるのではないか。
・こんなことを達成してくれるのではないか。
安心
・期待に対して任せても大丈夫なのか。
この3つが「NPOの信頼=託す」という思いにつながる。
組織評価の活用・評価を受けることの意義。。。
【組織運営の健康診断】
「評価」と聞くと団体をランク付け、成績付けされると思ってしまうが、組織運営の健康診断として、自分たちの団体の状況が適切にできているか診断を行う。
団体の状況を把握するという事が大事な部分となる。
そうすることによって、ガバナンスの改善→信頼性の向上へとつながる。
日本のNPOの信頼度調査
・海外での国別による各機関への国民の信頼度調査では、世界に比べて日本の慈善団体は信頼度が低く、国内の特定非営利活動法人に関する世論調査では、
認知度について、よく知っていると答えたのは全国民の2割。
信頼できると答えたのは17.1%となっています。
NPOのことをよくわからないから信頼されていないという状況がうまれており、
NPOを知っている人とNPOを知らない人の信頼のギャップがあるというところが大きいので、
まずは自分たちの団体のことを知ってもらい信頼度を上げていくことが大事な部分になってきます。
NPOの信頼。。。価値共有・能力・人柄
信頼度を高めるために3つのポイントを意識し、アピールする。
例えば
①価値共有→寄付やボランティアを募る
同じ目標、価値を共有できる人へピンポイントで届くようなメッセージ
②能力 → 助成金の申請
実績と一緒に事業遂行力と組織運営力(継続的な活動)もアピール
③人柄 → 接点のある人=団体の人柄 というイメージにつながりやすい。
メリットにもデメリットにもなる場合があるが、
団体自身と担当者のコミュニケーションが適切で誠実な対応を行っている。
これからの信頼
①個々のNPOが信頼向上を目指す
②NPOセクターとして、NPO全体の信頼度を高めていく
③企業や寄付者等の支援者がNPOの信頼に関心を持つ
NPOの信頼向上のメリット
・NPOの能力・ガバナンス向上(個々のNPOが発展していく。)
・企業の選定コストの削減(細かい部分まで見なくても信頼した取り組みができる)
・NPOの認知度向上(接点・コミュニケーションが増えると認知度向上)
非営利組織のガバナンスの発生
ガバナンスとは??
目的を達成するための精神や技法を言語化したもの
NPOのガバナンスは、法人格として法律によるガバナンスを達成することと、信頼関係を構築していくためのガバナンスの2種類を意識すること。
NPOにとって【託す・託される関係】ということが重要なポイントです。
やらされているのではなく、積極的にガバナンスを意識していくことが大切です。
従来のカリスマリーダー型の団体から、これからはみんなで話し合って解決していくコミュニティ型のNPOになっていくというところが大事なポイント。
★ガバナンスの重要なポイント!
定款で定められたどおりの事業内容や組織運営を行っているか
★定款をしっかり読む!!
定款で定められたどおりの事業内容や組織運営を行っているか。
★監事の役割
社員総会で意思決定をし、それに基づいて理事が執行しますが、
この2つの関係性だけでは理事の暴走も考えられる。そこをしっかりと確認するというのが
監事の大事な役割となる。
チェック!!
2018年、NPO法が改正され、貸借対照表も公告対象になりました。
定款にて貸借対照表の公告の仕方を定めましたか??
官報での公告となったままになっていると、公告に毎年お金がかかってしまいます。
定款を確認してみてください。
団体の持続性を高めるための3つのポイント
①事業力 → 事業を通じて力をつける
②資金調達力 → 事業の実績で自己財源化へ
③ガバナンス → 意識して取り組む必要がある
★「ガバナンスなくして、良い事業なし」
団体のガバナンスを高めるにはどうしたらよいか
定款を読み込む・手続きを再確認する
→団体がなにをするべきか、事業目的・内容など、意思決定したものを
言語化して文書化されたものが定款。
自団体の定款をしっかり読み込み、定款で定められたとおりの事業内容や、組織運営を行う。
事業計画書と事業報告書を軸に、普段の活動やマネジメントから理事会・社員総会へのつながり
を社内で周知する
→現場で活躍されるみなさんの日々の活動の積み重ねが、作成する事業計画書や
事業報告書になり、組織運営につながる、連携される。というところを意識する。
法令遵守、不祥事防止の研修や意識啓発を行う
→ハラスメント研修や防止研修等を行っている団体が増えている。
研修機会など意識してみる。
危険を招くコンプライアンス違反・不祥事
活動をしていくうちに、役職や環境の変化などで自分を正当化し、
不正が出来る機会が目の前に現れてしまう。
①機会 ②動機 ③正当化
この3つが揃ってしまった時、不祥事や横領が発生するケースが多い。
コンプライアンス違反や不祥事を防ぐためにも、監事監査をしっかり行うことが大切。
最後に。。。
この評価基準を見ていただき、是非、自団体の組織運営の状況を
セルフチェックしてみてください。
ベーシックガバナンスチェック(ベーシック評価基準)はこちらから。
まとめ
第1回、第2回では情報発信のノウハウなど講義して頂きましたが、
今回は社会環境や社会状況を踏まえて今のNPOの立ち位置などを理解するための概要的な内容が中心となりました。
設立時、みなさんが苦労をして作成された定款を実は社員が理解していない。というケースは少なくありません。
今回の講義では、定款の重要さを改めて認識できました。
第4回は、9月21日(土)、13:30~群馬県庁2階ビジターセンターで対面での開催となります。
「NPOの成長を目指す4つのステップ」連続講座もいよいよ最後の回となります。
お申込み頂いた方には、期間限定で第2、3回のZoom視聴が可能となっておりますので
ぜひご参加ください。
NPO・ボランティアサロンぐんまでは、毎月1回、「定款を読む会」を実施しています。
自分たちの団体は貸借対照表をどこに公告するのかな?団体のことをちゃんと理解できているかな??など、困っていることや、わからないことを持ち寄って定款を参考に解決します。
この機会に是非ご参加ください。
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