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NPO・ボランティアサロンぐんま

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2011年12月21日 (水)

特定非営利活動法人 多言語教育研究所(ICS)

特定非営利活動法人 多言語教育研究所は伊勢崎市で主に外国の子供を対象としたスクール「International Community School (ICS)」を運営している団体です。今回は多言語教育研究所・理事長で大東文化大学教授でもある、Cheiron McMahill(カイラン ミックメーヒル)さんにお話を伺いました。

Cheiron McMahillさん

多言語教育研究所は2000年から活動を始め、今年で12年目になる団体です。主に外国人のマイノリティの子供を対象とした、言語教育や宿題、テスト勉強の学習支援、そのほか日本の学校に通っている外国籍の子供のための支援やプロの心理学者によるカウンセリングなどを行っています。

活動を始めたきっかけはカイランさんの娘さんがかつて不登校になったことがあり、そのことをきっかけに日本の学校に馴染めない外国人の子供たちのためにスクールを立ち上げたそうです。

スクールでは英語、日本語、スペイン語、ポルトガル語の学校に入るため語学の強化や、母国語を自分の学年のレベルまで引き上げることなどを行っています。年齢は6歳以上、月曜日~金曜日、時間は9時から14時まで授業を行っています。また、夕方16時以降は宿題の支援を行っています。

通っている子供は現在22人で、活動を始めてから20~50人のあいだで推移しているそうです。

また、土曜日には各言語別に母国語クラスが開かれていて約30人が通っています。

取材では実際に授業に参加させていただきました。今回の授業はカイランさんの生徒である大学院生2人により進められ、教育学の分野で著名なブラジル人Paulo Freire(パウロ フレイレ)を参考にした授業が行われました。

最初は英語のクロスワードゲームから始まり、その後外国人の子供が体験することが多い、いじめや差別の問題について話し合いを行いました。

例ではとてもまじめな少年だが日本語がわからず、そのためテストで0点を取り日本人の先生に怒られたという話をもとに、このとき少年は悪いことをしたのか?という問いや、先生は怒るのではなくどうすればよかったのか、ということを皆で話し合いました。

2時限目は中国人の大学院生により“Reject”(拒絶)をテーマに授業は進められました。最初は顔の表情のイラストとそれを表す英単語を対応させていき、それをもとにrejectされたらどういう気持ちになるのかなどを皆で話し合いました。

授業の最後にはそれぞれが、いい先生・悪い先生や友人をテーマに絵を描き、それを先生が発表していきました。

午前の授業は12時半に終わり、ランチのピザパーティーが開かれました。

カイランさんは外国人のエンパワーメントを生かし、在日外国人のコミュニティーにノウハウを教えたいと語っていました。

(佐藤)

2011年12月12日 (月)

特定非営利活動法人 ぐんまラリーネットワーク

特定非営利活動法人 ぐんまラリーネットワークは自動車競技であるラリーを広め、またラリーを通して地域に貢献することを目的に活動している団体です。今回はみなかみ町で開催された「群サイ ラリーフェスタ2011」に参加しました。

ぐんまラリーネットワークは2002年から活動を始めた、年間を通してNPOとしてラリーに関わるなど、モータースポーツの啓蒙活動を行っている団体です。

群サイ ラリーフェスタ2011は群馬県みなかみ町にある、群馬サイクルスポーツセンターで行われました。参加選手は新井 敏弘選手、炭山 裕矢選手、柳澤 宏至選手といった、国内外で活躍するドライバーが参加して6kmサーキットでのデモランや、抽選による同乗走行などが行われました。

新井 敏弘選手

今回ぐんまラリーネットワークは焼きまんじゅう屋として出店しました。当日はあいにくの雨で気温も低かったのですが、東京から駆けつけたラリーファンなど多くの人で賑わっていました。

焼きまんじゅう

ヨーロッパではラリーはF1と並ぶ人気モータースポーツなのですが、残念ながら日本ではラリーの地位は低いと言います。整備されたコース内を走るF1と違い、ラリーは公道を走ります。ヨーロッパでは郊外や山間部の公道がコースとなり、民家の目の前を車が駆け抜けていきます。

SUBARU  IMPREZA WRX STI

しかし、日本ではこうしたことになかなか理解が得られず、しばしば暴走族などと同じ目で見られてしまうこともあるそうです。

MITSUBISHI  LANCER EVOLUTION X

こうした中でも群馬県は山が多いという土地柄ラリーが日本で一番活発に行われており、選手にも群馬県出身者が多くいます。

将来的にはNPOが関わったレースをしたいと考えています。ラリーには多くの人や企業が関わっており、レースを行えば開催地に大きな経済効果をもたらします。主催は難しいかもしれないが、群馬で世界選手権を開きたいという夢があるそうです。

ぐんまラリーネットワークでは子供に対してラリーの魅力を伝えたいと考えています。世界で通用するドライバーとなるには小さいころからの練習が欠かせません。そのため子供のころからラリーに興味を持ってもらう必要があります。活動を通して将来、群馬発の世界ドライバーが生まれればと考えているそうです。

新井選手の車両

ヨーロッパではラリー少年が普通にいるそうです。ラリーをもっと根付かせて、日本でもラリー少年が現れるような環境を作りたいと語っていました。

(佐藤)

2011年12月 2日 (金)

特定非営利活動法人 IFC On Higher Ground

特定非営利活動法人 IFC On Higher Groundは今年5月に設立されたばかりの、語学教育や発展途上国での救済活動などを行っている団体です。今回は副理事長の比嘉 めぐみさんにお話を伺いました。

IFC On Higher Groundは国内では語学教育として英会話教室を開き、海外では発展途上国で貧しい子供たちへの支援活動などを行っています。また、団体の法人申請を行っているさなかに東日本大震災が起きたため、直後より支援活動を開始しました。

復興支援では直後からインターネットで支援を呼びかけ、食料品や衣類、生活用品などを複数回にわたりトラックで被災地の各家庭へ輸送しました。物資提供が一段落したのちは泥かきや片づけなどの支援活動を行いました。

また、発展途上国への支援としてフィリピンの貧しい地域や孤児院を訪問し、食べ物やお菓子を届けたり、カンボジアの貧しい子供たちに文房具を送るための募集を行っていたりしています。

国内での主な活動としては英会話教室「Epiphany」を高崎市と前橋市の2か所に開いています。未就学児から大人まで幅広い年齢層を対象にしており、料金も低価格に設定し現在は主に中学生と20代から30代の生徒15名が学んでいます。

活動を始めたきっかけは、日本に住んでいた外国人グループが日本語が話せず、なじめないなど様々な理由で帰されてしまった出来事があり、こうした外国人をサポートしたいとの思いから始まりました。こうした外国人のために比嘉さん自身も講師となり日本語教室を開いています。

スタッフについては理事長と比嘉さんの2人が主に動き、人手が必要な時はその都度ボランティアに参加してもらっています。このようにボランティアベースで活動しています。

課題としては安定した活動資金の確保があるそうです。現状では英会話教室の収入と、その都度募金などを行っておりますが今後収入面をしっかりしていきたいそうです。

将来的には英会話教室をさらに増やすことで地域に貢献したい、また海外でもカンボジアやインドなどの子どもたちのために孤児院を建てたいと考えています。

比嘉さんはNPOとして地域に根ざし、助けを必要としている人や弱い立場の人たちに手をさしのべたい、一人ひとりをきちんと助けるグループになりたいと語っていました。

(佐藤)

2011年11月29日 (火)

特定非営利活動法人 高崎やる気堂

特定非営利活動法人 高崎やる気堂は高崎市の中心市街地の活性化を目的とした活動を行っている団体です。今回は代表の関口 眞作さんにお話を伺いました。

高崎やる気堂では毎月第4日曜日に「高崎人情市」を開いていて、11月27日にめでたく150回記念を迎えました。

高崎人情市は1999年に始まった行政主導の朝市が前身で、2002年から高崎やる気堂が引き継ぎました。今回は150回記念ということで、フリーマーケット150店、飲食店や出張道の駅50店の合計200もの出店が旧高崎市庁舎跡地にある、もてなし広場に集まりました。

会場にはこのほかにも子供のための遊び場や、ステージではダンスイベント、高崎やる気堂はテント前で牛肉25kgの丸焼きを行うなど会場を盛り上げていました。

人情市は朝8時から開かれ10時の時点ですでに多くの人で賑わっていました。来場者は3,000人を超えるのではとのことでした。

人情市に関わるスタッフは高崎やる気堂の理事8人とボランティアで構成されています。

150回を迎えた人情市ですが、課題は来場者が何を求めているのか把握することで、今回はアンケートを取り今後に活動に生かしたいそうです。

人情市は雨天でも決行しており中止したのは過去、雪かきが間に合わなかった2回だけだそうです。

高崎やる気堂ではこのほか川下りも行っています。市内を流れる烏(からす)川からボートで千葉県の浦安で、3泊6日の川下りを行っています。11月は2回行いました。手軽に参加できるよう新町までのコースもあります。今後は川下りも積極的にやっていきたいそうです。

代表の関口さんはこうしたイベントを開くことでイベントから街へ、街からイベントへという人の流れが生まれ、街の活性化に繋がれば、また他県に高崎の名前が広がればと考えています。

形は変わるかもしれないが、今後もこうした活動を続けたいと語っていました。

(佐藤)

2011年11月14日 (月)

特定非営利活動法人 思いをつなぐ会

特定非営利活動法人 思いをつなぐ会は女性や子供に対する活動をしている団体です。今回は代表の葛西 詔子さんと渡辺 克枝さんにお話を聞きました。

思いをつなぐ会はもともと別団体である特定非営利活動法人 ホワイトベルで活動しているメンバーが、女性が自信を持って生き、子どもが元気に育ってほしいとの思いから、これらを対象とした活動に特化したいということで新たにこの会を立ち上げました。

会では赤い羽根など助成金を活用して赤ちゃんから小学生を対象とした活動や、子供とお年寄りをつなぐ「みんなでまごまごお届け交流会」を行ったり、幼稚園児と共にプランターに花を植えるなどを行っています。

最近では東日本大震災による原発事故を受けて、子供への対処を目的とした放射能の講演会を開いており、12月1日にも放射能と健康管理と題した講演会があります。

取材した日はいかに放射能を減らしたパンが作れるかということで、食材や水を選ぶ段階から注意してガイガーカウンターで数値を測りながらパン作りをしました。

事前にこねて寝かせておいたパン生地の放射線量をガイガーカウンターで調べます。

小さく切り分けて手のひらで回し丸く形を整えていきます。

食パンの方はまず麺棒で伸ばしてそれを丸めて形を整えて型に入れます。

食パンの生地には紅麹が入っておりきれいなピンク色をしています。

丸いパンの方はクルミとレーズンのものとクルミと上にピーカンナッツを載せた2種類を作りました。

形を整え並べたら卵黄を塗っていきます。

湿度調整のため水を入れたカップと共にオーブン入れ焼いていきます。

この日借りたキッチンのオーブンは電気だったので少し時間がかかりましたが、それぞれ順調に焼きあがってきました。

いい匂いが部屋を包みます。

ちょうどいい焼き具合でいい色になりました。

早速焼きたてのパンを食べましたが、ふんわりとてもおいしくできました。

会ではこれからも活動を続けるために認定NPOを取ることや、若い世代への引き継ぎをどうするかを考えています。

思いをつなぐ会では活動を通して子供が元気に生きられる世界にしたいと語っていました。

(佐藤)

2011年11月10日 (木)

特定非営利活動法人 スピリットネットワークぐんま

特定非営利活動法人 スピリットネットワークぐんまは文化や芸術などの振興を図る活動をしている団体です。今回は11月3日に群馬県邑楽町で開かれた「邑(むら)の映画会」の様子をお伝えします。

スピリットネットワークぐんまは群馬で体験できない映画や音楽を体験させたいと、移動映画館を小学校で開いたり、映画会やミュージカル、講座などをさまざまなところで行っています。邑(むら)の映画会では大型映写機を提供しました。

スタッフは10名のボランティアで構成されていますが、中にはかつての映画技師もおり若手に技術を教えています。

邑の映画会は日本や海外の古い貴重な映画やユニークなアニメーション、名画を上映する映画会であり、今回で4回目の開催となりました。

午前10時から小・中学生を対象としたワークショップ「映画の始まりを体験しよう」が開かれました。これはプラキシノスコープを使ってアニメーションを作り、映画の仕組みを知ろうという企画です。

プラキシノスコープとは、鏡を使い残像によって絵が動いているように見える円筒形のアニメーション装置です。多くの子供たちが細長い紙に12コマの絵をかいてゆき、それを手で回して手作りのアニメーションを楽しんでいました。

午後12時30分からは短編映画の上映が始まり、1890年代に作られた貴重なエジソンの初期短編集や1951年にチェコで作られたカラーアニメーション、人類の過去と未来を描いた、1961年の風刺SFカラーアニメーション「プラス50000年」など5本の作品が上映されました。

休憩をはさみ、映画監督の小栗康平さんが「小津映画の魅力」と題した講演を行い、3月に起きた東日本大震災の話を引き合いに出しながら小津映画の、これから上映する東京物語の解説を行いました。

その後、劇映画「東京物語」の上映が始まりました。東京物語は小津 安二郎監督の1953年の作品です。

途中、音声が出なくなるトラブルがありましたが暫しの修理休憩の後、復旧し無事上映会は終了しました。

スピリットネットワークぐんまではこうした上映会を開くことで、映画を皆で見ることによって心の豊かさや感性を育てたいと考えています。

今後については、群馬県では来年の2012年4月1日施行を目指し文化基本条例の制定を進めていますが、これをきっかけに県と協同して芸術文化と触れ合う機会をさらに増やしたいと考えているそうです。

(佐藤)

2011年11月 4日 (金)

特定非営利活動法人 KFP友の会

特定非営利活動法人 KFP友の会は群馬県立観音山ファミリーパークを運営している団体です。今回は観音山ファミリーパーク副園長の中村 正信さんと橋本 誠さんにお話を聞きました。

観音山ファミリーパークは群馬県高崎市にある60ヘクタールもの広さを持つ緑豊かな公園です。この公園は当初、群馬県が運営しKFP友の会はクラフト工房だけを受け持っていましたが経費が掛かるということで、今では3年ごとの入札により管理運営を受託しています。

公園にはサービスセンター、クラフト工房、バーベキュー広場、水と花の広場、森のスポ・レク広場といった多彩な施設があり、駐車場も常時800台分と余裕のある作りとなっています。

公園の中心施設といえるのがサービスセンターです。ここには無料で使える交流室/休憩所や救護室などがあります。

バーベキュー広場には26基のテーブル・炉があり多くの人で賑わっています。利用料が無料ということもあり利用者数は右肩上がりで、日曜など休日は満席になることもあります。

クラフト工房はボランティアグループ(ユニットと呼んでいます)の活動の中心となる施設で、健康づくり・陶芸・アート・音楽など多種多様な活動がほぼ毎日行われています。施設についてはユニット登録をすれば無料で使用できます。

こうしたさまざまなイベントなどを行うことで、年間約30万人が観音山ファミリーパークに訪れています。利用者を見ると30代子供連れの母親と20代の学生が多くなっています。来園者数については車の台数などで算式を作って割り出しています。

スタッフは有償スタッフが28人おり、事務・バーベキュー・清掃・作業隊の4グループに分かれてローテーションを組んで運営しています。園内の除草については作業隊が担当しています。ちなみにとても広い公園ですが農薬は一切使っていないとのことです。また、トイレの清掃についてはとても気を使っています。常にきれいにしていると汚されにくいそうで、実際トイレを使わせてもらえましたがとてもきれいでした。

課題は園内の緑の管理と来園者をいかに増やすかがあるそうです。緑の管理についてはスタッフだけでは人数が不足気味で、特に夏は雑草が伸びるのがとても速く大変なのでボランティアの方にも手伝ってもらっています。

このようにボランティアについては公園のさまざまな部分に関わってもらっていてとても助かっていることもあり、引き続きボランティアを募集しています。作業時間はあまり長いと負担になるので半日にしています。公園運営のすべてはボランティア精神で成り立っているそうです。

公園を運営するうえでスタッフやボランティアだけでは難しい部分に関しては、ボランティアに理解のある企業の集まりで構成された「グリーンクラブ」と「Cクラブ」が関わっています。グリーンクラブは園内の、のり面などの整備に、Cクラブはイベント時の援助など協賛といった形で公園を支えています。

東日本大震災復興支援についても積極的に行っており、NPOとして4月28~30日女川町に1000食の炊き出しを行ったり、復興支援オリジナルTシャツも販売しています。Tシャツの売上金1500円のうち500円を義援金に充て10月現在、累計80万円もの義援金を送りました。

このほか福島から来た被災者6人がアルバイトという形で関わっています。緑豊かなところで働くことで、当初は落ち込んでいた被災者も徐々に元気を取り戻しているそうです。当初は10月いっぱいまでの予定でしたが、11月以降も働けることになりました。

最後に観音山ファミリーパークはとても広い緑豊かなところでなおかつお金もかからないので小さな子供から高齢者まで幅広い人たちに来てほしいそうです。

(佐藤)

2011年10月31日 (月)

特定非営利活動法人 す馬いる

特定非営利活動法人 す馬いる(代表:橋本 千晶)は伊勢崎市で活動する、引退した競走馬を保護し、その馬を使って障害を持った子供たちに情操教育を行っている団体です。今回は場長の栗原 修さんにお話を聞きました。

す馬いるは引退した競走馬など行き場のなくなった馬を助けたいとの思いから始まり、今では障害を持った子供たちの機能回復を目指した情操教育やホースセラピーなどをおこなっています。

当初は障害を持った子供たちに乗馬を楽しんでもらうことが目的でしたが、現在では作業療法士も加わりより専門的な乗馬療法を行っています。

また、デリバリーホースとして松井田にある知的障害者のための宿泊施設に馬を連れて行き、乗馬を実施するなど、保育園や老人ホーム、イベントなどさまざまなところへ馬を連れて行き乗馬の機会を提供しています。

乗馬療法はヨーロッパやアメリカでは治療の一環として認められており、馬を使ったリハビリや専門家もおり保険が適用されますが、残念ながら日本では認められていません。日本でも保険が認められてほしいそうです。

栗原さんは高崎競馬場に26年間厩務員として携わっていて、レースから引退したたくさんの馬たちが廃馬になっていくのを見て胸を痛めていました。高崎競馬場が廃止されることになり、そうした馬たちにゆったりと余生を過ごしてもらいたいとの思いが強くなり活動を始めました。

スタッフは作業療法士3名に大学生のボランティアや家族の協力で構成されています。

課題は活動についての周知がまだなされていないことがあるそうです。乗馬療法では馬1頭につき3人のスタッフが必要ということもあり、ボランティアを募集しています。

馬と接することでボランティアの学生が大きく成長したり、子供が成長するのを見ているとうれしく、子どもや青年たちに馬を通して、苦しさ・楽しさ両方を味わって学んでほしいと思っています。

す馬いるにはいろいろな団体から継続的に何年も来ていますが、情操教育は障害のあるなしにかかわらず、小さい子どもほど効果が大きいので小さな子供たちにもっと来て馬に触れて乗ってほしいそうです。

栗原さんは乗馬療法をこれからも続けていき、馬で子供に夢を与えたいと語っていました。

(佐藤)

2011年10月24日 (月)

特定非営利活動法人 めいぷる

特定非営利活動法人 めいぷるは桐生市の市総合福祉センターで活動する、障害のある子供たちを対象とした学童クラブを運営している団体です。今回はめいぷる代表の須永さんにお話を聞きました。

活動風景

めいぷるは2002年、障害を持つ親たちによる、親の会の勉強会がきっかけで始まりました。家と学校の往復だけになりがちな障害を持つ子供たちに第3の場所を、ということで当初はお母さんたちによって、公民館などで親と子の遊ぶ会を実施していました。

その後、2004年には桐生市の委託事業として集団活動・訓練事業をスタート、6人以上10人以下のクラスで週3日の活動を始めました。こうした中で2010年、活動を今後も続ける事と、スタッフを確保するために児童デイへの事業化を図るためNPO法人となりました。

めいぷるには小学1年~高校3年での全盲や筋ジストロフィーなどの身体障害や知的障害など、程度もさまざまな子供たちが通っています。他の施設と比べると障害の重い子どもが多いそうです。利用者は1日平均10名、開所時間は月~金曜日・午前10時~午後6時までとなっています。

サービス内容としては「会食サービス」「介護」「療育訓練」「創作的活動」「個別相談」、学校までの「お迎えサービス」を提供しています。小さい子にはトイレトレーニングなども行っています。

おむつ交換スペース

スタッフは7名の正規雇用者がおり、そのほか曜日によってはボランティア補助員にも来てもらっています。夏休みなど長期休暇中は高校生のボランティアも来るそうです。

障害の程度が軽い場合は1人のスタッフで2~3人見られますが、障害が重い場合は1人に1スタッフが付いています。高校生にもなると大きいためスタッフが2人必要となります。取材した日は10名の利用者に7名のスタッフがいました。

活動風景

課題としては法改正の問題があり現時点では今後の見通しを立てるのが難しいのと、資金的な問題で自力ではなかなか動けないため援助が必要とのことです。

須永さんは利用を希望する人は他にもいるため、もっとこうした所があり選べるようになればと話していました。また、障碍者福祉をみんながもっと考えてほしい、活動を広げるためにも援助をしてほしいそうです。めいぷるが重度障碍者の発信拠点になればと語っていました。

(佐藤)

2011年10月18日 (火)

特定非営利活動法人 三波川ふるさと児童館「あそびの学校」

特定非営利活動法人 三波川ふるさと児童館「あそびの学校」は、子供たちに昔ながらの遊びを学んで体験できる場をということで活動している団体です。廃校になった中学校を買い取り、2001年4月から活動を始めて2005年9月にNPO法人となりました。今回はあそびの学校代表の山崎 茂さんにお話を聞きました。

あそびの学校代表・山崎 茂さん

あそびの学校は廃校の復活と子供の遊び場をとの思いで作られました。代表の山崎さんは埼玉県富士見市の児童館で26年間職員を務めていましたが、あそびの学校を開くことを決意、群馬県藤岡市にある廃校となった中学校を買い取り活動を始めました。

あそびの学校では夏のキャンプや泥だんごづくり、また「あそびの出前」として、市のイベントや学校、学童や児童館などに出向き、粘土の型あそびや手作りおもちゃ、紙芝居など昭和の遊びを現代の子供たちに伝えています。

このほか「ALWAYSあそびの学校」を藤岡市の市内で開いています。ここでは子供から高齢者という幅広い年齢層が楽しめる、懐かしの居場所を提供しています。

人気の泥だんご作りですが、泥だんごは30~40分ほどでピカピカになり、出来栄えによって銀賞やゴールド賞など様々な賞をもらえます。そして泥だんごはその賞と同じ色が付けてもらえます。最高ランクはマリンブルー賞だそうです。山崎さんは、これは“泥だんご教室”ではなく、あくまで“泥だんごあそび”だと語っていました。

泥だんご

夏のキャンプは団体で受け入れており、群馬や埼玉から学童クラブやボーイスカウト、スポーツクラブなど、口コミでさまざまな団体が訪れています。

あそびの学校では昔ながらの遊びを広げるために「あそびの職人」の養成も行っており、現在3人が見習いとして働いています。

スタッフは山崎さんと見習いの4人おり、そのほか紙芝居専門の5人が活動しています。

運営費についてはキャンプの利用料とあそびの出前の収入が2本柱で、そのほか助成金や会員からの基金などでまかなっているそうです。

現在あそびの学校では、東日本大震災を受けて会員に募金を呼び掛けていて、今月の終わりには宮城県南三陸町に復興市のイベントで泥だんごづくりのイベントを開く予定です。こうした活動を最低5年間は続けたいそうです。

今後の予定としては、校舎の2階の講堂に昭和30年代の駄菓子屋をそのまま再現して楽しめる、体験展示室を作る計画があるそうです。

講堂

お話を聞くなかで、今の子供はストレスを感じている、地域の子供と大人が分断されていてお互い関わりがない状態になっていると感じているそうです。あそびの学校の活動を通して、子供から高齢者までのミニ地域を作ったりして、子供の地域の中での居場所を膨らませたいと考えています。

山崎さん自身、小学生のころは遊んでばかりいたこともあり、子供が遊びで育つというのは実体験からきています。そのため子供は未来であり、あそびは子供を育てる、未来をつくるにはあそびが必要との考えがあります。学校にはあそびの学校の活動をもっと理解してほしいそうです。

大人がそれぞれ未来を、夢を持ちながら未来を作る仕事をしたいと語っていました。

(佐藤)