セミナー「初めての決算」午前の部
2026年3月7日(土)、県庁昭和庁舎21会議室にてセミナー「初めての決算」を開催いたしました。
このセミナーは、NPO法人を設立して間もない方、これから設立する方、NPO法人の事務担当になった方を対象に、毎年開催しております。
午前、午後に内容を分け、講師はいずれもNPO・ボランティアサロンぐんまのコーディネーターが務めました。

午前の部 10:00~11:30 参加者:NPO法人13名
1.わかりやすい事業報告書の書き方

NPO法人になると、事業年度終了後に事業の概要をまとめた事業報告書の提出が必要になります。
事業報告書はなぜ作成するのでしょう?

・NPO法で定められている
①毎年事業年度終了後、3ヶ月以内に所轄庁に提出が義務付けられている→NPO法第29条
※3年未提出で法人取消処分に
提出方法は郵送、窓口持参、電子申請のいずれか
②事業報告書を作成から5年間は事務所に保管することが必要→NPO法第28条1
・内部での事業の振り返り、次年度計画に活用する
・外部への情報公開 団体の活動に関わる人、寄付者等の支援者や関係者
事業報告書はHP上で公開されるので、活動内容や収支など透明性のある運営を行うことで外部への信頼を高める→助成金担当者は団体HPの掲載情報を調べている
※貸借対照表は県への提出の他に、自団体による公告が必要となりますので、ご注意ください。
事業報告書作成のコツ
・書き方のルールを統一する(事業名、内容、開催日、成果、課題など)
・写真やグラフ等も活用し、見やすい工夫をする
・事業終了後、SNS等に開催報告をこまめにまとめておくと、事業報告書にまとめるのがラクになる
・文字や数字の誤りがないか、複数名でチェックを行う
※総会で承認された事業報告書を提出しましょう→県に提出する様式で最初から作成を行いましょう。
2.NPO法人の信頼に向けて~理事・監事の役割
NPO法人の役員である理事・監事の役割について、説明を行いました。


NPO法人の構成員は内部と外部の関係があります。
内部:社員(正会員)、賛助会員と役員(理事と監事)
外部:寄付や活動で運営を支援してくれる支援者やボランティア、サービスを提供してもらう受益者
理事は社員から法人の運営を委任されており、法令や定款に則った運営を行う必要があります。
NPO法人の役員は理事3人以上及び監事1人以上と規定されています。→NPO法第15条
理事の職務と責任
・事業、予算計画、事業分析など通常業務
・運営のための資金調達
・理事会での意思決定
・善良な管理者の注意義務違反→民法第644条
※定款目的以外の事業を行い、他人に損害を与えたり、通常期待される程度の注意怠慢により法人に損害を与えた場合は損害賠償責任が生じる。→NPO法第8条
監事の職務と責任
・法人の業務監査を行う(総会・法令順守・組織)
・会計監査
・総会での監査報告
※法令に違反した場合、理事や監事に罰則(過料など)があるので注意が必要です。→NPO法第78,80
・事業報告書提出、役員変更の届出、法務局への登記を怠った時
・貸借対照表の公告を行わなかった時
※2018年より、貸借対照表の公告が義務になりました。内閣府ポータルサイトに掲載されている法人情報はあくまでも担当の所轄庁が公開しているものです。公告は法人自ら、定款に定めた方法で行う必要があります。
貸借対照表の公告をしている法人数は年々減少傾向です。
NPO法人 信頼性の向上のために
・情報報開示を行う(事業報告書の提出、事務所への必要書類の据え置き)
・HP等での公開(公告は内閣府ポータルサイトも利用可能)
・適格な監査 業務チェックリストの活用
→こちらからダウンロード可能です
NPO法人のための業務チェックリスト(認定NPO法人NPO会計税務専門家ネットワーク)
https://npoatpro.org/user/media/npoatpro/page/tool/NPOChecklist2018.pdf
おわりに
事業報告書の提出や役員の責任など、NPO法人の運営はNPO法で定められているものが多く、日々の業務とは別にこれらを作成していくのは容易ではありません。しかしこうした決まりが、NPO法人として社会の中で信頼性を得ていく上での重みなのだと思います。
社会に向けて、自分達の活動目的や内容、成果を現わしていくことが、新たな支援者をつくるきっかけになる可能性になもります。事業のまとめを行うことは法人内部(社員と役員)での活動の整理・把握と、外部(支援者)に対する情報開示の二重の意味合いがあります。
事業報告書を正確に作成し、是非次年度の活動に活用して頂きたいと思います。


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