「動ける支援」をかたちに ―新田フードサポートの取り組み―
キッチンカーを通じた連携の場
子ども食堂ネットワーク関係団体とキッチンカーの見学、今後の活用方法についての情報交換会が、太田工業高校で行われました。
参加団体:NPO法人新田フードサポート、NPO法人よりきど暮しの会、NPO法人TSUMUGI、太田国際交流協会、県社協、太田市社協、(社福)みどの福祉会ほか
群馬県太田市を拠点に活動する特定非営利活動法人新田フードサポート(代表:星野 茂さん)では、「災害時にも平時にも役立つ支援」を目指し、キッチンカーを活用した取り組みを進めています。

▲車体のイラストは、高校生たちが発案
原点となった震災での経験
この活動の原点は、2011年の東日本大震災にあります。
代表の星野さんは、何かできることはないかと地元の太田市や群馬県、そして直接宮城県に問い合わせをし、宮城県亘理町へパンを届けました。しかし被災地に入ると、支援物資が十分に行き渡っていないところがあったり、仕分けが追いついていなかったりする状況を目の当たりにします。また、被災地の中心部だけでなく、その周辺でもライフラインが途絶え、支援が届きにくい場所があることにも気づきました。
その後、2024年の能登半島地震でも支援に関わる中で、改めて東日本大震災の時に見えてきた課題を実感する機会となりました。これらの経験から、「自分たちで動ける体制を持つことの大切さ」を強く感じたといいます。

▲NPO法人新田フードサポート代表の星野さん
かたちになりつつある“動ける支援”
こうした経験から、「必要な場所へ自分たちで動いて届けることができたら」という思いが生まれ、機動力のある“車による支援”という構想へとつながっていきました。その構想は約10年にわたり温められ、2023年に中継車だった大型車両を取得し、キッチンカーとして活用するための改造が進められています。
この取り組みの大きな特徴の一つが、地元の工業高校の生徒たちと一緒にキッチンカーをつくっていることです。発電装置や調理機器の設置、配線などを授業の一環として生徒たちが担い、自分たちの手で形にしています。つくる過程そのものが学びとなり、地域とのつながりを感じる機会にもなっています。

▲調理用の機械、ラックなどが備え付けられており、発電装置も装備されています。

▲今は可愛いイラストが描かれているホワイトボードが、緊急時にはすぐに使える情報共有の道具になります。
これからの展開と支援のかたち
これまで新田製パンという一企業として行ってきた支援活動を、より広げていくために設立されたのが、NPO法人新田フードサポートです。NPO法人として活動することで、地域団体、ボランティア、行政、企業など、さまざまな人たちと力を合わせながら、継続的な支援の仕組みづくりを目指しています。
また、こうした取り組みを今後につなげていくための一つの考え方として、キッチンカーによる被災地支援の体制づくりも検討されています。たとえば「DFAT(Disaster Food Assistant Team)」といった構想もあり、災害時の支援をより円滑に行うための工夫が模索されています。
現在、キッチンカーは完成に向けて準備が進められており、保健所の手続きなどを経て、この夏の本格的な運用が予定されています。平時には子ども食堂やイベントなどで活用し、地域の活動に役立てていく予定です。そして災害が起きてしまった時には、そのまま被災地へ向かい、温かい食事を届ける拠点として活躍することが期待されています。
「いざという時に動けること」と、「普段から地域とつながっていること」。その両方を大切にしたこの取り組みは、これからの支援のあり方を考えるうえでも、多くのヒントを与えてくれます。日々の積み重ねが、いざという時の大きな力になる――そんな実感をもたらしてくれる活動が、地域の中で少しずつ形になっています。

▲情報交換会に参加されたみなさん
特定非営利活動法人新田フードサポート(Nitta Food Support)
〒373-0057 群馬県太田市本町32-25
理事長 星野 茂
ホームページ:https://www.nfs-org.com/


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