若者の力が地域を動かす ― NPO法人アスワードの協働による地域づくり ―
高校生や大学生が中心となって地域活動に取り組む、NPO法人アスワード。
子ども支援からまちづくり、まちおこしへと広がる若者の活動と、行政や地域、企業との協働の現場を取材しました。
若者主体で広がる地域活動
伊勢崎市を拠点に活動するNPO法人アスワードは、高校生や大学生を中心とした若者主体の団体です。2024年4月にNPO法人としてスタートし、子ども食堂や学習支援、居場所づくりなどを通して地域の子どもたちを支える活動を続けてきました。現在は、そうした取り組みに加え、「まちおこし」の分野にも活動の幅を広げています。
活動を支えるメンバーは48名。高校生23名、大学生17名、社会人8名という構成で、若い世代が中心となって企画や運営を担っています。
最近では、子ども食堂や居場所に参加していた中学生が、高校生になると「ボランティアしたい」という希望もあるそうです。また、高校生の保護者からも「子どもをボランティア活動に参加させたい」という相談も寄せられるようになりました。若者の活動が地域の中で少しずつ信頼を得ながら広がっていることが伝わってきます。
⇩子ども食堂(ヒカリエキッチン)の様子⇩![]()
(https://nposalon.kazelog.jp/npo/2025/08/npo-c886.html)
若者が主催するイベントの力
2月8日(日)に開催された「スイーツ&古着フェス」は、伊勢崎市の協働まちづくり事業の一環としてアスワードが主催したイベントです。
会場変更や雪の影響もありましたが、中学生や高校生、親子連れなど多世代が来場し、会場は大いににぎわいました。
「若者が来たくなるイベントをつくりたい」
そんな思いから始まった企画ですが、結果として地域の新しい交流の場となっていました。学生たちは企画から準備、当日の運営まで主体的に取り組んでいます。地域の人と関わりながらイベントをつくりあげていく経験は、学校や大学の学びだけでは得られない貴重な実践の場となっているようです。




スイーツ&古着フェス(2026年2月8日 伊勢崎市絣の郷)
雪が残る中、スイーツ屋9店と古着屋6店が出店。約1000人の来場者がありました。
地域の特徴を活かした境地区での活動
今回お話を伺ったのは、境町駅のすぐ近くにある境赤レンガ倉庫です。
この周辺には歴史ある街並みが残る一方、高齢化が進み、外国にルーツを持つ住民も多く暮らしています。イスラム教の礼拝の場である伊勢崎モスクもあり、小学校ではクラスの約3分の1が外国ルーツの子どもだといいます。
こうした地域の中で、アスワードはモスク関係者とも関係を築きながらまちづくりの活動を進めています。

伊勢崎市境公民館で年4回「多文化交流会」を開催。
小中学生を対象とした多文化共生の取り組みです。
2025年5月30日の「ゴミゼロの日」には、歴史的建造物を巡りながらゴミ拾いを行う「境まちなか歴史探索クリーニング作戦」を実施しました。モスク関係者の方々と一緒にまちを歩きながら清掃活動を行うことで、地域の中に顔の見える関係が少しずつ生まれているようです。
また、田島弥平旧宅世界遺産フェスタにも実行委員として参加しており、若者の視点を活かした地域の魅力発信も広がっています。代表の山本さんをはじめ、メンバーの中には境町出身者もいます。地元への思いと若者の行動力が重なり、地域とのつながりをより深めているように感じました。

70人以上の参加があった境まちなか歴史探索クリーニング作戦。
外国につながりのある人たちも楽しみながら参加していました。
行政・企業との協働が活動を支える
アスワードの活動は、行政や企業との協働によって少しずつ広がっています。伊勢崎市役所でいうと市民活動課や商工労働課など、複数の部署と連携しながら事業を進めています。
先に紹介した「スイーツ&古着フェス」も、チラシ広報や当日の会場変更、駐車場対応、伊勢崎市PRキャラクター「くわまる」の借用など、官民連携での取り組みの一つとなっています。
また企業などから寄付された食材は子ども食堂で活用され、地域の中で子どもを支える循環が生まれています。
異なる主体との協働には、価値観や進め方の違いなど難しさもあります。それでも対話を重ねながら関係を築き、活動を広げてきました。
代表の山本さんはこう話します。
「若い自分たちが動くことで、行政や地域の動きにも変化が生まれていると感じています。」
その言葉には、これまでの取り組みの手応えが感じられます。

境赤レンガ倉庫にて、長野県東御市からの視察の皆さんを前にアスワードの活動内容やまちづくりについてプレゼンする、山本代表とアスワードメンバーの眞下さん
若者が動くことで、地域が動く
若者が地域と出会い、地域が若者と出会う。
その関係が重なり合うことで、新しい地域のかたちが少しずつ生まれています。
子どもたちの居場所づくりから始まった活動は、いまや地域イベントやまちづくりへと広がり、行政や企業、地域団体など多くの主体との協働へとつながっています。
また、伊勢崎市の市民活動課では、令和7年10月から月に一度、若者交流会を開催しており、アスワードのメンバーも積極的に参加しています。このような場を設けることで、ちょっとした雑談から新しい動きが生まれることもあります。若者たちが主体的に地域に関わることで、伊勢崎のまちが変わろうとしています。
NPO法人アスワードの取り組みは、世代や立場を越えて協働することの可能性を示しています。若者たちの行動が、これからの地域づくりに新しい可能性を広げていくことが期待されます。

伊勢崎市市民活動課では、R7年10月より月に1度、若者交流会を開催。
3月は、市内のカフェで臂市長と意見交換を行いました。
NPO法人アスワード
ホームページ <https://asuwardo-isesaki.org/>
(代 表)山本祥一
(所在地)群馬県伊勢崎市連取町3333番地6ライトフェイス内
(法人概要)2024年4月にNPO法人化。高校生・大学生を中心に構成された若者主体の団体。子ども食堂、学習支援、居場所づくりなどの子ども支援事業のほか、地域イベントの企画やまちづくり活動を行う。メンバー48名(高校生23名、大学生17名、社会人8名)。


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