NPO法人マチイロがJR上越線「敷島駅」前に開設しているコミュニティカフェ、
「駅のえんがわ」を訪問しました。
コミュニティカフェ「駅のえんがわ」について
「駅のえんがわ」では、カフェとして食事ができるだけでなく、イベントスペースで様々なイベントや教室が行われたり、地元の農家や作家さんによる農産物や手作り品を展示・販売しているコーナーも設けられています。
さらに、地域の様々なイベントや団体のパンフレットが置かれていたり、地域の風景の写真が展示されていたり、カフェの窓からは敷島駅が間近に見られるなど、地域のいろいろがつまった「コミュニティカフェ」です。
「夏休み宿題見守り隊」について
今年の夏休みの間、この「駅のえんがわ」を活用して、子どもたちが集まってみんなで宿題をし、それをカフェスタッフが見守る、「夏休み宿題見守り隊」という取り組みが試験的に行われました。
「駅のえんがわ」のスタッフである須田さんが、自分でもゆくゆくは書道教室を開きたいという意向があり、また子どもたちが家で一人で宿題をするより、カフェ内のフリースペースで気分転換してほしいという思いで、須田さんがいる月曜、木曜、金曜に自由に来てもらうというスタイルで開催されました。
「駅のえんがわ」を訪れた日は夏休み最終日で子どもたちの姿はありませんでしたが、須田さんによると、「夏休み宿題見守り隊」を始めてから、近所の子どもたちだけでなく、前橋など遠方からもお孫さんを連れた方が来るなど予想外の反響があり、今後の継続した事業化の可能性を感じ取ったといいます。
須田さんの考案で始まった「宿題お助け隊」ですが、昨今話題になっている「長すぎる夏休み」問題に対する一つの解決策になるとも考えられます。NPO法人キッズドアが行った調査によると、困窮している子育て世帯の6割が「夏休みの短縮・廃止を望む」と答えたといいます。今ではどの家庭にとっても、子どもたちの健康、安全、教育面に長い夏休みはマイナス影響が大きいと考えられています。
(参考:キッズドアアンケート結果 https://kidsdoor.net/news/press/20240701.html)
かつては、夏休みといえば子どもたちは朝から晩まで外で遊んだり、川遊びしたり、また家族で旅行するなどお楽しみ満載の期間でしたが、今は外で遊ぶにも遊び場がなかったり、熱中症の危険があるため、家で一人でゲームという子が多いのが現状です。
さらに、今は共働きの家庭が多く、長期休みに家族でどこかに旅行という家庭も少なくなってきています。夏休み中、共働きの家庭では毎日朝から夜まで学童で過ごしている子もいれば、毎日家で一人で過ごしている子もいます。また、長期休み中は学校の給食が無いため満足に昼食が取れず、夏休み明けに体重が減少してしまう子がいるなど、子どもたちの発育にも影響を及ぼしている面もあります。
夏休みを歓迎する子どもたち、家庭がある一方、このように「長すぎる夏休み」が社会問題ともなっている今、夏休み中家で一人で過ごすことの多い子どもたち、家庭にとって「宿題お助け隊」は強い味方になるのではないかと考えられます。
家で一人で過ごすよりも、みんなで集まって遊んだり食べたり宿題をする、必要ならその場にいる大人がちょっとアドバイスする、という場は、学校でも家庭でもない第三の居場所、先生でも保護者でもない地域の大人がいる場として今必要とされる存在ではないでしょうか。
共働き家庭が多くなった今、様々な習い事や活動、学童などの制度が整ってきていますが、そこからこぼれ落ちてしまう子どもたちがいて、その子どもたちを支えるために地域の力が必要とされています。
今回「駅のえんがわ」で「夏休み宿題見守り隊」として始まった取り組みは、今後はみんなでご飯を作ったり地域の大人と一緒に宿題の工作をするなど、様々な発展の可能性を秘めていると感じました。NPO法人マチイロでも今回試験的に実施したデータをもとに、継続して実行できるような検討を進めているそうです。
NPO法人マチイロについて
「駅のえんがわ」を運営しているNPO法人マチイロは、地域の活性化を目的に様々な活動をしています。この「駅のえんがわ」を拠点に、フリーマーケットや屋台村、パンまつりなど、幅広い世代が誰でも楽しめるイベントが随時開催され、イベントがある日には地元に住む人たちだけではなく、遠方からもお客さんが訪れて駅前がにぎやかになります。
ちなみに「駅のえんがわ」はスーパーの店舗だった建物を活用し、ここがまた集いの場となるようにという思いを込めて、コミュニティカフェとして再生されました。
代表理事の荒井さんによると「コミュニティカフェ」がまだまだ地域に浸透しておらず、遠巻きに見ている地域住民も多いといいます。そんな中で様々なイベントや教室をきっかけに「駅のえんがわ」を訪れる人も増えてきて、だんだんと地域の子ども、大人、お年寄りの集いの場となってきています。また「駅のえんがわ」が、駅前、線路のすぐ脇に位置していることもあり、遠方から来た「撮り鉄」が寄っていくなど、予想外のお客さんもいるようです。
荒井さんは「コミュニティカフェはただのお店ではなく地域の居場所。ここではお店の人とお客さんという関係ではなく、だれでもフラットに交流してほしい」「駅のえんがわが、だれでも用がなくても気軽に寄って、お茶を飲んだり休んだり、ぼーっとできる、地域の憩いの場になってほしい」と語ってくれました。
今後も、様々な活動を通して地域のいろいろな人が「駅のえんがわ」に関わる機会が増え、みんなにとって正に地域の「駅のえんがわ」となっていくのが楽しみです。
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◆NPO法人マチイロ 今後の予定 ~みなさん、ぜひ足を運んでみてください~
10/13 しぶかわ移住創業朝市
10/19 えんがわ子ども食堂【初開催】
11/16 えんがわ子ども食堂
11/30 敷島駅前屋台村
・・ほかにもイベント多数!詳しくはHP等をご覧ください。
◆NPO法人マチイロ 法人概要
所在地 渋川市赤城町敷島701
代表理事 荒井良明
https://www.machiiro.or.jp/top
・・一緒に活動してくれる仲間を募集しています