消費税増税及び休眠預金説明会 税理士による個別相談
2019年12月13日(金)13時より県庁昭和庁舎21会議室にて、消費税増税及び休眠預金説明会
税理士による個別相談を開催いたしました。
NPO法人対象の消費税の解説は今回県内初めての開催となりました。
参加者は21名
NPO法人13名、税理士1名、中間支援スタッフ6名、行政1名です
第1部 税務署職員による消費税の解説
前橋税務署審理専門官(法人担当)の山田 稔氏による、消費税増税についての説明がありました。
1 NPO法人が関係する消費税とは
①課税対象取引 国内における、請負契約などに基づく労務の提供
非課税取引 国内における、介護保険法の規程に基づく事業(居宅・施設・地域密着型介護サービス等)寄付金、補助金など
※一つの法人でも事業によって課税、非課税対象かを見極めた上で個別の対応が必要
②委託契約を結ぶ前の消費税に関する注意点
委託事業は消費税法上課税取引であるので、原則として行政が支払う委託料にはすべて消費税を上乗せする
契約を結ぶ前に委託料、人件費、物件費、納付消費税額を本体、税別に積算する
消費税込みの金額だと納付税分をNPO側が負担することになるので注意が必要
参考:大阪府におけるNPO協働事業の契約実務および会計の実態調査
chrome-extension://oemmndcbldboiebfnladdacbdfmadadm/http://www.osakavol.org/08/pdf/keiyakukaikei_honbun.pdf
③仕入れ控除税額の計算方法の選択について
選択のポイント
一般課税 消費税納付税額=課税売上にかかる消費税額-課税仕入れ等に係る消費税額(実額)
※課税仕入れ等の事実を記載した帳簿と請求書等の両方の保存が必要
簡易課税 消費税納付税額=課税売上にかかる消費税額-課税売上に係る消費税×みなし仕入率
課税基準期間の売上高が5,000万円以下の場合選択可能
事前に所轄税務署長に届け出を提出
※2年間継続した後でないと選択をやめられない
④ 軽減税率について
軽減税率(8%)対象品目 飲食料品(外食、酒類、は含まない)、新聞
日々の業務で必要なこと
軽減税率対象品目の仕入れがある場合、仕入れ(経費)を税率ごとに区分して帳簿に記帳
請求書等に基づき、売上げを税率ごとに区分して帳簿に記載
以上の帳簿に基づき消費税額を計算して申告する
2 休眠預金について
NPO・ボランティアサロンぐんまコーディネーターによる、休眠預金に関する情報提供がありました。
資金分配団体の決定
実行団体公募にむけて
※事業予算のうち8割は分配、2割は自己負担なので資金調達の必要がある
休眠預金分配団体について
一般社団法人 日本民間公益活動連携機構JANPIA https://www.janpia.or.jp/koubo/
第2部 税理士による個別相談
関東信越税理士会群馬県支部連合会の井上英明税理士のご支援により、NPO法人向け会計個別相談を行いました。
増税後の消費税計算や委託について、専門的なアドバイスを得ることができました。
参加
・NPO法人1名
・中間支援センタースタッフ6名
内容
1.収益事業開始に伴う事務手続きについて
・職員の源泉徴収の仕方(該当年1月~12月に支払われた給与が対象)
・複式簿記による帳簿の記載方法
請求書発行日=売上日
クレジットで引き落とし費用は請求日に未収金を立て、引き落とし後に消滅させる
2.来年度納税の計算方法について
・9月までは8%、10月以降は10%(ただし食料品は8%)
・講師謝金の扱い (謝金には交通費は含まない)
・バザーの収益の扱い
3.増税後の委託契約について
・免税事業者でも消費税は上乗せするのが原則
・地方公共団体によっては、古い慣習による消費税のルールが通用しているので注意が必要
・契約前の積算基準を明確にする
増税後、NPO法人の会計・事務や益々複雑になります。
判断に迷う場合は、お早めに管轄税務署に相談されることをお薦めいたします(予約制です)
説明会で得た知識を今後の運営に活して頂ければと思います。
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