【報告】初めての決算 ~午前の部~
初めての決算 ~午前の部~
- 日時:3月23日(土)10:00~12:00
- 場所:群馬県庁昭和庁舎3F
- 参加人数:35名(NPO法人・24人、その他3人、関係者8人)
◆NPO法人の税務
- 説明者:群馬県税務課 小河 和紘さん
大きく2つの項目に分けて説明していただきました。
1.税法上の収益事業について
法人税法上、34業種が収益事業に該当します。
NPO法上の「その他の事業」と、法人税法上の「収益事業」の考え方は、下記のようになります。
NPO法上では、「その他の事業」とされない事業であっても、法人税法上は「収益事業」と判断される場合があります。
NPO法人は、株式会社などのように営利を目的としている法人ではないため、現行の法人税上の収益事業から生ずる所得のみが課税対象とされています。
そのため、NPO法人の本来の目的である、非営利活動に係る事業であっても、その事業が法人税法上の収益事業に該当する場合は、法人税の課税対象となります。
具体的な事例として、(1)国や地方公共団体等からの委託事業を行なっている、(2)バザーに関することをお話しいただきました。
法人税の申告や法人税法上の収益事業について、不明な点は所轄の税務署にお問い合わせいただくことをお勧めします。
2.法人の事業税・住民税について
①県税(法人の事業税・法人の県民税)
設立した日から2ヶ月以内に「法人設置申告書」を所管の行政県税事務所に提出が必要です。法人税法上の収益事業を行なっていない場合でも提出が必要ですので、注意が必要です。
また、法人税法上の収益事業を行う場合とそうでない場合では、申告及び納付の方法が異なります。
法人税法上の収益事業を行わない場合は、法人の事業税は課税されませんが、法人の県民税の均等割は課税されます。毎年4月30日(4月30日が土日振替休日の場合は翌日)に所管の行政県税事務所に申告納付する必要があります。
ただし、法人税法上の収益事業を行わない場合には、申請により法人の県民税(均等割)が減免される場合があります。
減免を受けようとするNPO法人は、毎年4月30日(4月30日が土日振替休日の場合は翌日)までに「法人の県民税減免申請書」を所管の行政建材事務所に提出してください。
②市町村税(法人の市町村民税)
市町村にもNPO法人を設立した旨の届出が必要になります。また県民税と同様、税法上の収益事業を行わない場合、法人税割は課税されませんが、均等割は課税されます。ただし、こちらも減免申請することで減免される場合があります。詳細は、市役所及び町村役場にお問い合わせください。
◆わかりやすい事業報告書の書き方
- 説明者:NPO・ボランティアサロンぐんま コーディネーター 乾 幸乃
NPO法人は、毎事業年度終了後3ヶ月以内に事業報告にかかる書類を提出する必要があります。
事業報告書は、所轄庁に提出するだけでなく、団体内部で事業を振り返り、次に活かすこと、また会員やボランティア、寄付者、その他の関係者への報告にも活用できます。事業報告書は内閣府のポータルサイトで公開されます。
公開された情報は、市民や企業、行政、助成財団等が見ていることから、今後のNPO法人の発展に繋げるためにも、工夫が必要になります。
▼盛り込んだ方がいい事項
- 1年の総括、全体の課題
- 目次(内容が多い場合は目次があると読みやすい)
- 事業ごとの目的、概要、成果と課題(写真や図、グラフ、数値化などでわかりやすく)
- 総会、理事会、役員会、会員数、運営体制
- 金銭にカウントできないボランティア活動、時間
- 物品寄付など
初めて事業を知る人にもわかりやすい文章、用語の統一、言葉使い、引用の出典元の明記、個人情報が適切に扱われているかなどに注意し、複数のスタッフで作成、校正などを行うことをお勧めします。
◆NPO法人の信頼に向けて ~理事・監事の役割~
説明者:NPO・ボランティアサロンぐんま コーディネーター 真下 真帆
理事の役割と責任として、事業評価、事業分析、事業・予算計画、中長期計画・資金計画など、通常業務の中でも責任が伴います。他にも資金調達や広報、情報発信、理事会や総会に関わることなども、理事の役割となります。監事の役割としては、業務、会計の監査、総会での報告があげられます。
また、毎年の所轄庁に提出する事業報告書だけでなく、貸借対照表の公告も行っていただく必要があります。今回NPOサロンで実施した決算書調査によると、定款通りに公告がされていた団体は7%。公告していない団体が25%。不明が68%という結果が出ました。定款で貸借対照表の公告の「掲示場」となっている場合、確認ができないことから「不明」の率が高くなっていることも理由にあげられます。
NPO法人の信頼性を向上させるために、適切な情報開示と、役員が日頃から随時自己監査を行い、その結果を踏まえ、監事が監査をするということが重要です。
※なお、2022年度決算書報告の詳細については下記のリンクからご参照ください。
◆群馬県からの情報提供
- 説明者:群馬県県民活動支援・広聴課 田中 さやかさん
①NPO法人の書類提出部数について
各種手続きに係る書類の提出部数がすべて1部になりました。
- 館林市、藤岡市、玉村町、明和町については、各市町で定めていますので、各市町にお問い合わせください。
②住民基本台帳ネットワークの活用による住民票の添付省略について
就任承諾書及び誓約書使命を本人が自署しており、住民基本台帳ネットワークシステムの利用を希望する旨及び生年月日を記載した場合は、住民票補添付を省略できます。
- 館林市、藤岡市、玉村町、明和町においては、これまでどおり住民票の添付が必要です。
③内閣府ウェブ報告システムについて
群馬県では、「内閣府ウェブ報告システム」によるオンライン申請・届出等の受付が令和6年3月より始まりました。
これまで書面で提出していた申請・届出等について、オンラインで提出が可能になりました。これまで通り、書面による申請・届出等も受け付けています。
(注意)
- 館林市、藤岡市、玉村町、明和町での「内閣府ウェブ報告システム」の導入時期については、未定です。
- 登記に関する手続きをオンラインで提出する場合であっても、「登記事項証明書」の原本を別途郵送又は持参する必要がありますので、ご注意ください。
内閣府ウェブ報告システムについての手続きマニュアルは、下記のサイトからご確認ください。
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