NPO・企業協働セミナー「脱炭素まちづくりカレッジ」を開催しました
NPO・企業協働セミナーとして、カードゲームを通してSDGsを学ぶことができる「脱炭素まちづくりカレッジ」を11月10日(金)に前橋市中央公民館で開催しました。
◆開催概要
- 日時:2023年11月10日(金)13:30〜16:30
- 場所:前橋市中央公民館
- 主催:群馬県・群馬NPO協議会
- 共催:前橋市
- 後援:群馬県社会福祉協議会
脱炭素まちづくりカレッジとは
脱炭素まちづくりカレッジとは、気候危機や脱炭素の基礎知識を身につけ、持続可能なまちづくりや地域づくりについて学ぶことができるカードゲーム型プログラムです。カードゲームの詳細は、脱炭素まちづくりカレッジ運営義務局のホームページをご参照ください。
講師は、県公認環境SDGsファシリテーターの角田正基さん、金子詩乃さんのお二人。
NPO関係者5名、企業から9名、行政3名、学生1名、中間支援関連2名、計20名が参加しました。
▲角田正基さん(左)、金子詩乃さん(右)
アイスブレイクタイム
はじめて顔を合わせる方も多いことから、A3の用紙に、①名前、②住んでいるところ、③趣味、今はまっていること、④所属を書き、同じグループの人を皮切りに、他のグループにも足をのばし自己紹介。あちらこちらで自己紹介の声が響きわたり、緊張感も少しずつ和んできました。
講師より、地球温暖化から気候危機へと進む現在、CO2排出の6割が私たちの日常生活が原因ということ、そして気温上昇が進むと、地域や私たちの暮らしに大きな影響があるというレクチャーがありました。
それぞれのテーブルには、あらかじめ「職業」、「プロジェクト」、「お金」のカードが用意されています。
私たちのまちは「ころとんtowon」
「まち全体で叶える未来(ゲームのゴール)」は、プレイヤー全員で温室効果ガス排出50%削減です。
ゲームを始めるにあたって、ポイントとして以下のように簡単な説明がありました。
- 全体ゴールは、4ターン以内に排出量を50以下にすること!
- 全体ゴールと個人目標の両方の達成を目指します!
- お金とパートナーを集めプロジェクトを実施!
- カードやお金は譲渡・交換して集めましょう!
- 温室効果ガス排出量の大幅削減につながる、「スペシャルプロジェクト」があります。
- スペシャルプロジェクトが達成されると、「ころとんtown」がカラフルになっていきます。
- 逆に排出量が増えてしまう「トラップ」もあります。
1ターン目が始まると、テーブルに並べられたカードを見て、どうしようかと悩むグループも多い中、さっそく交渉に他のテーブルに行く姿も見られましたが、まだまだ遠慮がちな様子です。
プロジェクトを実施したくても、協力が得られなかったり、お金が足りなかったりと、なかなかスムーズには進みません。プロジェクト達成のために必要となる「お金」と「職業」が揃うと、講師のところに行き報告することで、さらに「お金」や「職業」カードがもらえます。プロジェクトが「トラップ」だったりすると、削減どころか増えてしまいます。
1ターン目が終わったところでの結果レポート。温室効果ガスの排出量はあまり削減できていません。スペシャルプロジェクトの実施も難しいようです。
2ターン目、3ターン目が進むにつれ、各プレーヤーの動きが積極的になり、交渉も巧みになってきました。「『■■』のグループに『○○』のカードがあるみたい!」などの声も飛び交い、違うグループの人たちと動く姿も見受けられました。
3ターン目終了後、削減率は思うように下がりません。コミュニティ、再エネの数値が上がらないことで、削減率が下がらないと、プレーヤーの中で共通認識が広がっていきました。
「最終ターンなので、少し時間を長く設定しましょう」と講師が伝え、最終ターンが始まるとプレーヤーが一気に飛び出します。カード交換も駆け引きというより、協働にシフトしていく様子が見られました。いくつかのスペシャルプロジェクトが達成されると、再エネ、コミュニティの数値が上がり、さらにプロジェクトが達成されていき、まちがカラフルになっていきました。
時間ギリギリまでプロジェクト達成のためにプレーヤーが動く中、終了時間が近づきます。
最終結果は、残念ながら目標の50%削減には届きませんでした。
ふりかえり
ゲーム終了後には、限られた時間の中ですが、ゲームの振り返りを行いました。
「意外と地域の状況がわかっていない」、「何かをするには周りの協力も非常に大切」、「何事にも、対話と協働が重要」などの声がありました。
最後に群馬県の担当者から、「群馬県版マイCo2シミュレーター」の紹介がありました。いくつかの質問に答えていくと、自分がどれぐらい排出しているかを算出できるようになっており、改めて一人一人の意識改革が必要だと実感できます。
終了後のアンケートでは、「脱炭素と聞いて、これまでは正直自分事として捉えられていなかったのですが、講義やゲームを通して、脱炭素についての知識はもちろん、実際に体験しながら考えることができたので、自分の中での意識が変わったなと感じます。」という意見や、「一般会社員ではわからない行政の役割がわかった。」などの意見をいただきました。
異なる立場の人たちが、一つの目標に向かうことは容易なことではないけど、対話や連携することで、プロジェクトが達成できるということを、このカードゲームを通じて学ぶことができたと思います。
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