特定非営利活動法人 新里昆虫研究会
特定非営利活動法人 新里昆虫研究会は桐生市新里町で昆虫の調査・研究、ぐんま昆虫の森や新里自然体験村の管理、地元住民とともに田植えや枝チップ体験活動などを行っている団体です。今回は理事長の小池 文司さんにお話をお聞きしました。
新里昆虫研究会は当初はホタルの保護活動を目的に1993年に発足させた「新里ホタルの会」を出発点としています。その後、同会を発展解消し「新里昆虫研究会」を1999年に発足、2003年にNPO法人となりました。
新里昆虫研究会ではぐんま昆虫の森の維持管理を行っており、その隣に新たに作った新里自然体験村の管理も行っています。新里自然体験村は約10ヘクタールの広さで中に遊歩道を作りマラソンなどが行われたりもしています。
当初はホタルの保護活動を行っていましたが、現在はそのほかにも蝶の調査や幼稚園児や小学生を対象としたカブトムシ養殖場作り、里山の再生活動の一環として間伐やその木を利用した枝チップ作り、田んぼでハザ作りなどさまざまな活動を行っています。
枝チップとは間伐で出た木を細かく粉砕したもので、散策道に敷いたりカブトムシの住みかに利用したりします。そのほか間伐で出た木はシイタケ栽培にも利用しています。
ホタルについては保護を呼びかける看板を建て近所の人にも協力を呼びかけるなどした結果、復活の兆しが見えているそうです。
活動に関わるスタッフは15~16人でみなボランティアです。高齢者にとっては仲間づくりになり、自然とかかわることが生きがいにもなるというメリットもあるそうです。小池さんはこれを健康仲間作りと呼んでいます。
課題は資金不足とイベントや会の活動に参加する人が固定化してきていることだそうです。活動資金は会費と助成金でまかなっていますが、助成金は継続性がないのでなかなか厳しいものがあるそうです。参加者については子供が大きくなると親ともども別の活動へ移ってしまう事があるそうです。小池さんはもっと若い、新しい人にも興味を持ってもらい参加してほしいと思っています。
今後は活動を支える次世代の人たちを育てていきたいと考えています。ノウハウなどを伝えていき、まずは40代~50代にバトンタッチしていきたいと考えているそうです。
小池さんは日本には四季折々の自然があり、自然から与えてもらえることがある。自然を大事にすることで郷土を大事に、地球を大事にすることにつながるという思いがあります。小池さんは幼稚園の理事長でもあり、今の若い父母は自然との関わりが少ないので自然を通して実体験をたくさん取り入れることが子育てに大事と言います。活動を通して世代間の交流を図り、四季の文化を大事にしたいと語っていました。
(佐藤)
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