特定非営利活動法人 今生塾
特定非営利活動法人 今生塾は群馬県前橋市富士見町赤城山にある、フリースクールなどを運営している団体です。
今回15年間の活動を『小さなあしあと』という本にまとめ自費出版したということで、理事長の金田さんやスタッフの方々にお話を聞きました。
今生塾は1995年からフリースクールを開いています。スタッフは4人、金田さんを含め元教師が多く、定年退職後にボランティアで働いています。
今生塾を始めたきっかけは金田さんが退職後、不登校の子を見ていたのが始まりでした。最初は1人で見ていましたが限界を感じ、賛同する仲間を見つけ皆と活動を始めました。
今生塾ではフリースクールのほかにも、夏休みには「夏の学校」、春休みには「春の学校」といった季節学校を開いています。この季節学校は不登校の子に限らず、普通の子が多く参加しています。
今年は8月17日から21日まで夏の学校が開かれており、多い日では小学校1年生から中学校3年生まで25人の子供たちが参加しています。季節学校では生きるために必要なことを教えているそうです。
このほか幼稚園へスタッフが出向き、数遊びや科学遊びの出前講座を開いています。
15年史である『小さなあしあと』を出そうと思ったきっかけは、19冊にもなった活動日誌でした。これをまとめた略史を作ろうということから始まりました。
元々、今生塾では「小さなたからもの」という文集を作っていました。文集にはこれまで130人に上る子供たちが書いた作文や写真が載っており、こうした今までの記録を、これまでの活動の一区切りとしてまとめようということから『小さなあしあと』が生まれました。
本は打ち込み、構成など製本以外はすべて手作りで作られました。今までの記録をそのままの形で残したいからだそうです。
本については、みんなの歴史であり、これまで本気で生きてきたこと、学校では教えていない、生きるために本当に必要な知識、人間として大事なことなど、本のすべてがメッセージだそうです。
これまで子供にかかわってきたスタッフの女性の方は、「子供はどんなことがあっても信じられる」と語っていました。
今生塾を運営する中での課題は運営費だそうです。現在は助成金などは受けていないため、イベントなどでまかなっているそうです。寄付もありますがとても足りないのが実情だそうです。
今後については、これからも門を閉めずに続けていきたいと語っていました。現在も季節のイベントなどの時には若い人が手伝いに来ているそうです。今後は後継者も育てていきたいそうです。
最後に『小さなあしあと』について、不登校の子だけでなく、先生にも是非読んでほしいと語っていました。
(佐藤)
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