JR東日本高崎支社、昭和村・JA利根沼田と連携し「援農プログラム」を展開
JR東日本高崎支社は、昭和村および利根沼田農業協同組合(JA利根沼田)と連携し、地域課題の解決に向けた「援農プログラム」を展開しています。社員の副業制度に加え、物流や旅行商品などJR東日本グループの多様なアセットを組み合わせることで、地域農業の支援と沿線価値の向上を目指す取り組みです。今回は、本プログラムの企画に携わり、自ら現地で体験したJR東日本高崎支社の社員に話を聞きました。

背景と地域の課題
群馬県北部に位置する昭和村は、レタスやほうれん草、とうもろこしなど多彩な農産物を首都圏へ供給しており、こんにゃく芋の生産量日本一を誇る「やさい王国」として知られています。
一方で、農繁期には多くの労働力を必要とするため、外国人実習生の受け入れや人材派遣会社、知人のネットワークなどを活用して人材を確保しています。しかし、安定的な人材の確保は依然として大難しい状況です。
JR東日本高崎支社「Aiプロジェクト」の挑戦
JR東日本高崎支社では、若手社員を中心とした組織横断型チーム「Aiプロジェクト」を立ち上げ、沿線地域が抱える課題の解決に取り組んでいます。
第1弾として、2025年11月20日に農業研修を実施し、社員約20人が1日農業バイトアプリ「daywork」の法人機能を活用して、こんにゃく芋の収穫作業に参加しました。研修後にはワークショップも開催し、昭和村の農業が抱える現状や課題について、多角的な視点から意見を交わしました。
参加した運転士の小林真理恵さんは、
「通常の業務や職場環境を離れ、広大な畑で作業する体験はとても気持ちがよかったです。作業の合間に、畑でみんなで食べたおやつもおいしく、普段とは異なる環境の中で心に残る時間となりました」
と振り返ります。農家の方々との交流を通じて視野が広がったという声も聞かれ、農作業体験が心身のリフレッシュや健康意識の向上につながる可能性を感じました。こうした実感は、副業制度を活用した農業支援の意義を考えるうえでも示唆に富むものとなりました。

プログラム始動の経緯と拡大計画
本プログラムは、「Aiプロジェクト」のアドバイザーである兵藤俊吾副長が、実家がこんにゃく芋農家であったことをきっかけに、地域農業の課題解決に貢献したいという思いを持ち、Aiプロジェクトのメンバーと共に昭和村役場やJA利根沼田に働きかけたことから始まりました。
第2弾は2026年3月26日に、農園「星ノ環」において、いちごの葉やつるの剪定などの農作業を実施しました。参加対象は首都圏勤務の社員にも拡大し、副業として農業支援に関わる仕組みの検証を進めます。さらに、2026年夏には第3弾として一般の方々にも対象を広げ、夏野菜の収穫体験と地域観光を組み合わせた旅行商品の造成も視野に入れています。こうした段階的な拡大を通じて、地域との信頼関係を深めながら、参加者層や活動地域の広がりを目指します。
複合的な取り組みで地域の魅力を創出
援農プログラムは、単なる人材確保にとどまらず、各団体が持つアセットを活用しながら、地域農産物のブランディングや販路拡大にもつなげていく取り組みです。
具体的には、新鮮な農産物をJR東日本の荷物輸送サービス「はこビュン」で首都圏へ届け、駅ナカやマルシェで販売することで、群馬県産農産物の認知向上と販路拡大を図ることが想定されています。また、農作業体験付き旅行商品の造成により、参加者が農業に触れながら地域の魅力を体感できる機会を創出するほか、首都圏での臨時販売、オンライン販売、マルシェ開催など、多面的な販促施策も検討されています。今後は、継続的な対話を通じて、副業やボランティアなど多様な形で関われる仕組みづくりも進めていく考えです。

おわりに
JR東日本が沿線地域の課題解決に主体的に関わることは、地域農業を支えるだけでなく、新たな価値の創出にもつながります。副業制度を活用した人材支援に加え、物流、旅行商品、EC、イベントなどを組み合わせることで、昭和村の農業の魅力をより広く発信し、関係人口の創出や地域ブランドの向上にも寄与することが見込まれます。
本プログラムが、地域と都市を結ぶ持続可能な共創モデルとして、今後さらに発展していくことが期待されます。今後もJR東日本高崎支社の『援農プログラム』に注目していきたいと思います。

参考 群馬県昭和村・JA 利根沼田と連携した「援農プログラム」を展開
https://www.jreast.co.jp/press/2025/takasaki/20251218_ta01.pdf


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