NPOの成長を目指す4つのステップ②「情報発信について学ぼう」
2024年7月25日(木)18:30~20:30、オンライン(zoom)で
基盤強化セミナー「NPOの成長を目指す4つのステップ」第2回『情報発信について学ぼう』を開催いたしました。
講師は第1回に引き続き、公益財団法人 日本非営利組織評価センター 業務執行理事
山田 泰久 氏です。
参加者はNPO法人14名、市民活動団体4名、個人2名、中間支援センタースタッフ2名、行政職員1名 計23名です。
第1回「ミッションビジョンを言語化してみよう」の内容を踏まえ、第2回は「情報発信について学ぼう」をテーマに、情報発信の重要性と、具体的な方法、ポイントについて学びました。
《内容》
◆はじめに
第1回で学んだように、「よい団体とは、よい活動とよい情報発信をしている団体である」。
せっかく価値のある活動をしていても、数多くのNPO法人、市民団体、ボランティア団体等がある中で、発信ができていないと、埋もれてしまい、必要な人に団体の存在が知られず、認識してもらえない状態になってしまう。
一昔前だと、団体のホームページがあるということに意味があったが、今は誰でもホームページが作れる時代で、より情報を届ける相手と目的を意識した情報発信が必要になっている。
そもそもNPOの情報開示・情報発信の意義とは
①NPOセクターの立場で
→より多くのNPOが情報発信することで、NPOセクター全体の信頼度をアップする。
②市民の立場で:地域メディアとして
→専門的な情報を必要としている人に、情報を届ける
→自ら情報発信できない人に代わって発信する
③団体の立場で
→団体や活動を維持するための資源を獲得する
★団体の活動のための情報発信にとどまらず、地域メディアの役割を果たす
活動の可視化 と 活動の価値化 (第1回の復習)
活動の可視化→活動の中の感動を伝える
・・活動の現場の様子を、文字、写真、動画で伝える
活動の価値化→価値にして伝える
・・自らの活動がどんな価値(受益者にとってのメリット、地域への貢献)を生み出して
いるのか、自ら言語化して発信する
★活動している自分たちに取っては当たり前と思われることを、第三者にわかりやすく伝える
2024年現在、NPOの情報発信・・今は「半々時代」
紙もインターネットもそれぞれ大事
→情報を届けたい相手に応じて、ツールを使い分ける必要がある!
※今回は、主にSNSを中心に情報発信のポイントを学びます。
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SNSで情報発信するにあたって
まず、普段自分がどのようにインターネット、スマホを使っているかを考えた上で、
情報を届けたい相手がどのように情報収集しているかを意識する。
発信する際は、PCで操作することが多いが、受け手側がスマホで見ていることを意識する。
→実際にSNSの画面を見て、特徴をとらえよう
【facebook】 写真中心、30代以上のユーザーが多い。
市民活動・NPOセクターでは利用者が多い。
【X】(旧Twitter) 写真や、各種情報の共有、ユーザーの世代も様々
→団体として有効な活用は難しい、まずは個人の情報収集のツールとして
【Instagram】写真中心、いわゆる「インスタ映え」する華やかな活動の発信に向いている
→NPO、市民活動の地道な活動を発信するのは難しい場合も
NPOのweb系情報発信の整理
ストック情報
(団体のホームページやブログ)
:蓄積される情報
フロー情報(facebookやX)
:SNSで流れていく情報
(※googleなどの検索対象にならない)
→どちらも大事、バランスよく
ネット上で信頼してもらうために~信頼の3つのポイント(第1回の復習)
①団体概要 →組織運営への信用
②活動 →活動内容への信頼
③役員・スタッフ→人への共感
・・人は人にしか共感しない。活動している人の顔写真、集合写真を載せると、
雰囲気が伝わり、安心につながる
→団体・活動・人のセットで信頼してもらう
団体としての情報発信のコツ
①定期的に、継続的に
→更新頻度が高いと、検索したときに上位に上がってくる
②なるべく手間をかけずに発信する
→毎回、ゼロから作るのは大変、フォーマットをつくるなどの工夫を
③分業体制をつくる(文章書く人、写真撮る人、サイトにUPする人)
→それぞれ得意分野を活かしてもらって役割分担するのが望ましい
④紙の会報誌等の原稿をネットにも流用する。
→「半々の時代」の今、それぞれ見ている人ちがう。
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「NPOの情報発信のコンセプト」
◆発信内容
①信頼
・団体の「基本的な情報」(ストック情報)・・年に1回
→自分たちは何者なのか(団体名、連絡先、代表者、設立趣旨、理念)
・団体の「活動・事業情報」(フロー情報)・・月に1回~年に4回
→自分たちは何をしているのか(事業計画・年間計画・イベント案内・活動レポート)
・団体の「財務情報」(ストック情報)・・年に2回(予算・決算)
→何にいくらお金を使っているのか?(収支予算・決算、誰からどのようにいくらの収入があるか等)
②共感
・・団体の活動を知ってもらい、その必要性を理解してもらう。
キーワードは追体験と感情移入、
登場人物は「受益者」「NPOスタッフ」「支援者(寄付者)」
→「自分も関わりたい!」と興味、関心をもってもらう。
③ 問題提起
・・マスメディアが伝えない、地域の状況や社会の課題を伝える
→活動団体であると同時に、地域メディアとしての役割が求められている
◆発信の目的
① 説明(従来の情報発信)
・・団体や活動を知ってもらう、理解してもらう
②コミュニケーション
・・情報の受け手との関係づくり、関係を深めるための情報発信
③アクション
・・情報の受け手に対して、寄付やボランティア、イベントなどのアクションを
誘発させるための情報発信
◆発信主体
正式な発信は団体として行う
→代表者もしくはNPO関係者が個人として情報発信を行う
→支援者・寄付者・参加者に情報を拡散してもらう
情報発信にあたって気をつけること
・個人情報保護法
小規模事業者や自治会、同窓会も含む全ての事業者が対象です。
※参考:これだけは知っておきたい「個人情報保護」のルール
→https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201703/1.html
・SNSで気を付けること
セキュリティ
・・位置情報、パスワード管理
プライバシーを守る
・・自分のプライバシー、相手のプライバシー(顔写真を載せる時など了承を取る)
暴言・悪口を書かない
・・すぐに拡散してしまう→団体の信用も傷つく
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まとめ:地域のNPOのインターネット情報発信
まず(必須)
★ホームページ
★ブログ
★地域のポータルサイト
余裕があれば・・
★facebookページ
★メルマガ
さらに・・
★全国規模のポータルサイト
★You Tube などなど
具体的な秘訣・ヒント・テクニック
例えばブログの場合
・・記事内に検索されやすいキーワードを盛り込む
→地名、施設名、イベント名、NPO、分野に関するキーワード
・・1週間に3日、1年間で150記事を目指す
まとめ:情報発信の目的とツールの整理
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NPOならではの情報発信の難しさ、また今の時代に合った情報発信のポイント、コツをわかりやすく講義して頂きました。
最後に講師から、情報発信を「漢方薬」に例え、即効性はないけれどじわじわ効いてくる、という話がありました。まず今日できることから、例えばブログを書く等、それを継続すると、半年後に団体の地域における知名度が上がったり、協力者、支援者が増えるといった変化が出てくることが期待されます。
今日を機に半年、がんばって続けてみましょうと講師から応援のメッセージを頂きました。
NPO・ボランティアサロンぐんまでは、今日の講義の中でも紹介されたツールを使ってみたいという団体に、基本的な使い方を教えることもできます。
これを機に団体の情報発信を見直そう、新しいツールを使ってみようと思った団体は、ぜひサロンにご相談ください。
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