特定非営利活動法人 マイトリー藤岡
特定非営利活動法人 マイトリー藤岡はスリランカ民主社会主義共和国で貧しい子どもを対象とした幼稚園を運営している団体です。今回は理事長の関原 光雅さんと理事の小川 正一さんにお話をお聞きしました。
マイトリー藤岡はスリランカで貧しい子どもたちのために、無料の幼稚園2校を運営しています。幼稚園の定員はそれぞれ80名ですが、現地では大変高い評価を受けており、現在定員を超える約100名の園児が通っています。何度も現地の新聞で取り上げられたこともあり知名度も高く、入園募集時期には幼稚園の前にまだ暗いうちから長い行列ができるほどです。
園長を含めスタッフはみな現地の人で構成されており、給料や建物などの維持費、衣類などはすべて日本から送っています。必要な資金はすべて会員からの寄付金でまかなわれています。
活動を始めたきっかけは前理事長で藤岡市小林にある、寿楽寺住職であった関原 光庸さんが日本で働いていたスリランカ人の男性と知り合ったことでした。貧しいために幼児教育を受けられないという現地の状況を知り幼稚園の建設を決意、私費を投じて2000年12月に第1校目を、2004年2月には第2校目を建設し開園しました。
地元から高い評価を受けている理由は無料というだけではなく、早期教育や3か国語教育、教材を使った勉強など、スリランカの幼稚園としては画期的な試みをしているところにあります。また、貧しい家庭は子供を幼稚園へ入れることで夫婦共稼ぎができるという理由もあります。
日本と違う面は宗教の問題があります。スリランカは仏教徒が多いのですが、それ以外にもイスラム教やヒンズー教徒の子どももいるので、宗教によって教室を分けているそうです。
こうしたこともあり最近は貧しい家庭だけではなく、裕福な家庭からの入園希望も多く来ているそうですが、この幼稚園はあくまで貧しい家庭のために設立されているので原則断っているそうです。
しばらくの間は前住職が私費を投じて活動していましたが、教育は継続させる必要があり、幼稚園の運営を安定させるためにはより多くの人からの支援が必要と判断、2007年にNPO法人となりました。
日本から遠く離れたスリランカで活動していることで、さまざまな課題もあります。山間部にある1校はインターネットが無いため電話や手紙でやり取りせざるを得ないのですが、言葉の問題があり意思疎通が難しいという面があるそうです。
また認識の問題などもあります。2校の園長は共にかつて日本で働いていたことがあり、当時の感覚で日本はとても裕福な国と思っているようで、幼稚園の増築など金銭的に応じることができない要求などもあるそうです。マイトリー藤岡としては100%日本からの仕送りに頼るのではなく、例えば卒業生が資金的に援助するなどして依存度を下げてほしいのですが、スリランカも経済的に厳しくなかなか現地の支援を得るのは難しいそうです。
スリランカでの幼稚園の運営ということで、会員へ活動内容を直接見せられないという問題もあります。最近会員が減少傾向にあるそうで、活動のPR方法や会員を増やすことが課題だそうです。マイトリー藤岡では海外支援のノウハウがある人やNPOを良く知る人、アイデアのある人を募集しています。
海外での活動ということでさまざまな課題もありますが、マイトリー藤岡はこの活動を継続する必要があると考えています。それは潰すのは簡単だが創るのは難しいからです。これからも多くの人を支援していきたいと語っていました。
(佐藤)
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