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NPO・ボランティアサロンぐんま

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NPO法人会計基準

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2024年12月20日 (金)

NPO会計セミナー「決算書に正確な数字を」開催しました。

2024年11月14日、NPO会計セミナーを開催しました。
今回は「決算書に正確な数字を」と題して、初級者向けセミナーということで、
初めて決算を迎える法人や、決算書を作成したもののこれでいいのか不安を抱える法人を
主に対象として、NPO会計基準にしたがった決算書の作り方や、日々の会計業務について
の講義でした。
講師は公認会計士・税理士の福田秀幸先生。
参加者は、26名(NPO法人11名、一般社団法人ほか団体7名、中間支援センター7名、
行政1名)でした。

 

 ◆まずはじめに

NPO法人の情報開示について

NPO法人については、行政の監督を最小限にとどめる一方、
団体の活動実績や会計等の情報を広く市民に公開することが義務付けられています。

→外部向けに、決算書を社会に対して公開しなければいけません。
情報公開することで、法人の社会的信用、信頼が得られます。
公開する情報は正確性が求められます!

NPO法人を支えるのは、魅力的な活動と信頼できる会計情報です。

 

「NPO法人会計基準」とは                            
2010年7月に会計報告作る統一ルールとして「NPO法人会計基準」が定められました。
他の法人と比べると、NPO法人は活動が特殊なため、それに沿った
 特殊な会計処理が必要です。
(2012年4月から、「収支計算書」ではなく、「活動計算書」になりました。)

 ※なぜNPO法人会計基準が必要なのか
 ・・NPO法人は、市民が行う自由な社会貢献活動を支えるためにつくられた法人格
 →特定非営利活動推進法では、認証制の採用など、所轄庁の関与を少なくするかわりに、
NPO法人が積極的に情報公開を行い、それを市民がチェックするよう定められています。
 →そのための、正確で比較可能(他団体との比較、期間比較)な会計報告書を作成する
ルールが
「NPO法人会計基準」です

◆実際に決算書を見てみましょう。 

1 貸借対照表活動の結果  

・・年度末時点での、法人の資産負債、純資産(NPO法人の場合、正味財産)の
  有高を示すもの

__2

左側:資産:会社の所有している財産(将来入ってくるであろうお金:債権 も含め)

右側:負債:他人資本=他人から借りているお金(将来払う義務があるお金:債務)

   純資産(正味財産):自己資本=自分で稼いだお金、活動の結果

資産=負債+純資産(正味財産) ・・一致していないと信頼性に欠ける
(一般的な貸借対照表は、右から左へ見たときに、右側の資金調達の源泉が、
 何に使われたかわかるようになっています。)

※NPO法人会計基準に基づく貸借対照表はこちら↓

_npo

2 活動計算書 :活動の中身                 

・1年間の収益から、費用や損失を引いて、1年間で正味財産がどれだけ増減したかを、
その原因の面から示すもの

_

Ⅰ経常収益 - Ⅱ経常費用 = 当期正味財産増減額
(Ⅱ経常費用の中で、事業費管理費を区分、またその中で人件費その他経費を区分する
  必要があります)

財産目録                     
・・事業年度末時点で法人が所有している全ての資産および負債を、具体的に、その種類、数量、価額を付して記載したもの

Photo_3※個別注記表について

 ・・他の法人に比べ、活動が特別なため、特殊な会計処理が必要なため、
   財務諸表の補足情報(内訳、明細)として記載することが義務付けられています。
   (★は必須、 他は該当するもののみ記載)

★1.重要な会計方針
 2.事業別損益の状況 (記載は任意だが、記載することが望ましい)
 3.施設の提供等の物的サービスの受入の内訳
 4.活動の原価の算定にあたって必要な、ボランティアによる役務の提供の内訳
 5.使途等が制約された寄付等の内訳
 6.固定資産の増減内訳※定率法、定額法 
 7.借入金の増減内訳
 8.役員及びその近親者との取引の内容

 ※実際に決算書を作成するにあたり、間違いやすい(注意が必要な)勘定科目について
 説明がありました。 
・減価償却費(減価償却方法:定額法、定率法)
・福利厚生費
・修繕費 など

 

◆最後に、日々の会計業務について基本的なことを確認


1.NPO法人経理担当者のマインドセット(心がけ)
正しい決算は正しい日々の入出金の記録から
定款・諸規程、事業計画書・予算書に基づく、正しいコンプライアンス意識をもつ
法人のお金は、他人のお金。代表者個人のお金と区別する。(財布、金庫をわける)

2.正しい日々の入出金の記録業務
出納帳への都度の記録
 ・・出たお金、入ったお金、残金の記録
証憑(領収書、請求書、レシートなど)の整理・保管
 ・・月別/取引種類別、取引先別
    ※特に、助成事業、補助事業がある場合

 出納帳証憑の結び付き
   ・・取引No.の採番

 ★現金の取り扱いを極力減らすキャッシュレス決済
   →経理事務の負担軽減にもつながります。

3.「法人お金は他人のお金」、代表者個人のお金と区別する
・現金の実際有高、預金通帳残高の定期的な確認(週ごと、月ごと)
・一定額以上の支払いを行う場合の承認制度
・定額前渡し制度、月末精算

 ★担当者と責任者のダブルチェックが望ましい

 

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今回は、NPO法人の会計業務について、基本的なことを学びました。
日々の活動と会計業務はNPO法人運営の両輪ともいえます。
年間通して、日常的に出納帳への記録、定期的に残高の確認を行った上で、
決算期を迎えたらNPO法人会計基準に基づいた決算書を作成し、事業報告書等と
合わせて県に提出する義務があります。
決算書作成等についてわからないことがある場合は、NPO・ボランティアサロン
ぐんまでも相談に応じています。(早めのご相談を!)

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