
1.助成テーマにチャレンジする意欲がある団体
2.他団体・機関・住民組織、研究者等と協働してチャレンジする団体
3.1年以上の活動実績がある団体
※若手実践的課題研究の助成対象者は
45歳未満の方で大学院博士課程在籍者・修了者含む
※研究組織に複数名の研究者と実践家の双方参画が必要
※実践家とは「社会福祉士、介護福祉士、看護師、理学療法士、 保健師、臨床心理士」等現場職員

※その他の助成金情報につきましては、【助成金情報一覧2024年9月~】をご参照ください。
2026年1月29日(木)13時30分から16時30分、県庁32階NETSUGENにて協働ミーティング「薪づくりで街づくり、そして人づくり。」を開催いたしました。

群馬NPO協議会 櫻井弥生 会長による開会挨拶
会場とオンライン参加でのハイブリッド開催で、NPO等18名、行政14名、企業8名、教育機関等3名、個人4名 計44名の方が参加されました。
群馬県ではNPO、企業、学校、行政など多様な主体による協働を推進しています。

左:福本 昌彦 氏 右:石戸 悦史 氏


後半:パネルディスカッション
MAKITの協働に関わっている方にご登壇頂き、協働の役割や詳細なエピソードについてフリートークでお話し頂きました。
ファシリテーターは特定非営利活動法人中之条コネクト理事/事務局を務める枝 拓未 氏です。
中之条町の地域おこし協力隊として着任後、地域の人々とともに中之条コネクトを設立、現在は事務局として農家の担い手づくりや地域の人材育成を行って活動中です。
枝 拓未 氏

左2人目:伊藤 友樹 氏 右:持田 知泰 氏
実際に協働に携わった官民それぞれの立場から、協働のきっかけや役割について、フリートークでお話頂きました。うまくいったこと、いかなかったこと、異分野ゆえに分からなくて苦労したこと等が話題になりました。
登壇者紹介
みどり市産業観光部農林課林政係 主任 持田知泰 氏
みどり市農林課で林政業務を担当。市内林業従事者への支援事業や市産材の流通、森林経営管理事業等に携わっています。木の駅プロジェクトでは運営全般に係る事務、補助金等の手続き、重機等の備品整備などを担当。林野庁へ出向経験あり。
林業家 伊藤 友樹 氏
2021年にみどり市地域おこし協力隊に着任。林業振興に携わる中で、森林資源の六次産業化を推進し、エッセンシャルオイルブランド「森の香。foreal(もりのか。ふぉれある)」を立ち上げる。商品の販売のほか、工房での体験ツアーなどを通じて、森と人をつなぐ活動を展開。現在は林業フリーランスとして活動し、林福連携事業の「木の駅プロジェクト」にも技術者として参画するなど、地域資源の活用に力を注いでいる。
協働のきっかけ
障害者の方の木工アート製作のため、木材の無償提供を林業家の方にお願いしたことがきっかけで、みどり市の地域内エコシステムに参加しないかと声がかかる
福祉系の同業種では以外と連携は進まず、林業と福祉の林福連携という異分野同士の新たな試みが始まりました。異なるセクターのつなぎ役という連絡係がいた訳ではなく、それぞれが専門分野での業務を全うすることで自然に歯車が回ったような感じで事業が進んだようです。
とはいえキーパーソンとなった人物がいるようです。
みどり市では林野庁職員と人事交流があり、前担当職員が地域の未来と障害者理解を含めた事業計画を推進してくれたそうです。
お互いを全く知らない、異業種、異分野同士での協働が進んだコツとは?
・会議の積み重ねで、お互いの考えを知る、理解を深める
・現場へなるべく足を運ぶようにする
・つくりたい地域、目標などのそれぞれの思いを共有する
・うまくいかない時は、お互いの目標がずれている
信頼関係の根源は?
・約束をどう守るかの積み重ね
・報告、連絡、相談と情報共有
・協力者それぞれに取れ高があること(金銭的以外にも周囲からの応援、協力や笑顔など)
・潤う人が増えることが事業が長続きする秘訣
協働で大変だったこと
・最初は林業関係の専門用語が全く分からなかった
・当初は福祉の分野外の方に、障害者への合理的配慮、差別解消といった概念が理解されにくかった
・夏場の猛暑時に薪の生産量が低下、季節による生産量の波を作る必要がある
・事業開始の頃に、行政の担当職員が異動になっていしまい、関係性を再構築する必要がある
協働をするために大切なこと
・思いや物語をつなぐ、自分たちの物語を明確にする→共感や共鳴を得ることにつながる
・ご縁を大切にする
・異業種のコラボはすべての業界から注目される、道を切り開いていくチャレンジ精神
参加者からの質問
・協働において、行政などトップの意向や役割をどのように感じるか?
→みどり市総合計画、5つのゼロ宣言もあり、木材の地産地消は市長にとって関心の高い分野でもある。また森林協力隊は全員市に定住している。
・なぜ同業界のコラボは難しいのか?
→同じ規模の中小企業のような感じでライバル意識もあり協力よりは競合してしまう。成果が出にくい。
・協働における人材育成はどのようにしていますか?
→組織として明確なビジョンを持ちスタッフに浸透させるのが大切。ビジョンという土台があって、研修などの技術(スキル)がある。
・協働の原動力は何ですか?
→事業を継続していくこと、成功体験の積み重ねと感謝の気持ち。自分達が学び続けること。早く成果が見たいという気持ちで今やっていることを止めないこと。
おわりに
NPO・ボランティアサロンぐんまでは過去に協働事例発表会を開催しましたが、MAKITのような協働事例の関係者複数にご登壇頂いたのは今回が初めてでした。
参加者の方にとっても、官民の役割、異業種それぞれの視点などを知る機会となってのではないでしょうか。
MAKITは他業種交流の林福連携プロジェクトですが、関係者にとってみどり市の未来を良くしたいという思いは一致していたのではないかと思います。林業、環境問題、障害者、子どもといった観点から、地域の人々が未来もいきいきと暮らしていくにはどうしたらよいか?そのように考えた時この計画は生まれました。
官民の立場の相違を乗り越えるために、行政側が現場に足を運ぶ回数を増やしたり、お互いを理解しよう、歩み寄ろうという気持ちと努力が相互にあったと思います。林業と福祉を組み合わせることで、複数の地域課題に同時に働きかける大きな循環が生まれました。
前例のないことを始めるのは大きな挑戦ですが、登壇者の方々のトークを実際に聞いて、地域の未来にかける情熱と意欲を感じました。そして何より前向きな姿勢と明るさがありました。何度も話し合いを重ねることで形成された信頼関係が、協働の基盤となっていると感じました。
参考
MAKITについて https://www.chihayakai.jp/forestwood
森の香。foreal https://www.foreal.jp/
チハヤ会訪問記録 https://nposalon.kazelog.jp/npo/2025/12/makit-4a00.html
パネルディスカッション開催報告
1月21日(水)、次世代の担い手育成事業の一環として、
パネルディスカッション
「ポータルサイト制作の挑戦 ― 2つの高校生NPOの協働 ―」 を
NPO・ボランティアサロンぐんまで開催しました。
当日は、フリースクール・居場所関係者、行政関係者、関心のある市民の方々にご参加いただきました。
不登校の経験をもつ高校生や、身近に不登校だった友人がいる高校生たちが中心として立ち上げた2つのNPO法人があります。
今回のイベントでは、この2つのNPOが法人が協働して取り組んだ、フリースクール等の情報を集約したポータルサイト制作についてお話ししていただきました。
開催日時:2026年1月21日(水)14:00~16:30
開催場所:NPO・ボランティアサロンぐんま(群馬県庁昭和庁舎1F)
参加人数:会場15名、オンライン16名 計31名

第1部では、2つの高校生NPOから、団体設立の背景や活動内容、そしてポータルサイト制作に至った経緯が紹介されました。
あすしるべは、不登校を経験した高校生や、不登校の問題に関心をもつ高校生を中心に設立された団体です。自身の経験や周囲からの「どこに相談すればよいのかわからない」「情報が多すぎて、かえって選べない」といった声に多く触れてきました。
発表では、「中学生の頃に、こうした情報があればよかったのに…」という実感が、ポータルサイト制作の原点にあることが語られました。当事者の視点を生かしながら、最初の一歩を踏み出すための“道しるべ”となる情報発信を目指している点が印象的でした。

▲橋本さん(NPO法人あすしるべ代表)
NPO法人Tでは、不登校や社会的孤立を経験した若者が、安心してつながれるオンライン上の場づくりに取り組む団体です。MinecraftやDiscordを活用した交流の場の提供に加え、プログラミングや運営体験を通じたスキル習得支援も行っています。
「学校に行けなかった時期でも、オンラインには居場所があった」という利用者の実体験から、テクノロジーを“逃げ場”ではなく、“力を取り戻す手段”として活用していることが語られました。
今回のイベントでは触れられていませんでしたが、ポータルサイトの制作は、当初から2団体が一緒に動いていたわけではありませんでした。はじめにNPO・ボランティアサロンぐんまに相談に訪れたのは、あすしるべ代表の橋本さんでした。相談をきっかけに、一般社団法人ポータルの代表の古井戸さんを通じてフリースクール関係者や行政との橋渡しが行われました。
その後、オンラインでの居場所づくりやICTを活用したエンパワメントの活動を始めたNPO法人Tと、あすしるべのメンバーがつながり、「一緒にやってみよう」という流れで協働が始まりました。
課題意識を言葉にする「あすしるべ」と、技術を使って形にするNPO法人T。それぞれの強みを生かした協働は、当事者や当事者に近い高校生だからこそ生まれた取り組みと言えます。
第2部では、「必要な情報を、どう届けるか」をテーマに意見交換を行いました。ファシリテーターの落合さんからは、フリースクールの現場で寄せられる保護者や子どもたちの声が紹介され、「情報はあっても、必要な人に届いていない」現状が共有されました。

▲左から、ファシリテーターの落合さん(NPO法人ぐんま里山学校理事長)、橋本さん

▲飯塚さん(群馬県生活こども部/群馬県子ども・若者支援協議会事務局)
高校生から「行政の情報は安心感がある一方で、言葉が堅く、当時の自分には読む気になれなかった」「年齢の近い先輩の言葉だからこそ、最初の一歩を踏み出しやすい」といった実感が語られました。情報の正確さだけでなく、“誰の言葉として伝わるか”が大きな意味をもつことが浮き彫りになりました。
また、県の飯塚さんからは、制度や支援策があっても十分に知られていない課題や、若者の発信を今後どのように生かしていけるかについてコメントがありました。
不登校を経験した橋本さんの「今が一番つらいと感じる時期でも、子どもは一年で大きく変わることがある。悲観しすぎなくていい」という言葉は、支援する側にはしっかりと刻まれたと思います。
またA.Kさんからは、ポータルサイトや法人が運営するオンライン上の居場所について「将来、利用した中学生や高校生が、今度は運営側として関わってくれたらうれしい」という声も聞かれました。
一方で、ポータルサイトの運営をどのように引き継いでいくのか、そしてその過程で支援者や大人がどのように関わっていくのかについて、サイト制作を担った2人や他の登壇者、そして参加者のみなさんにも課題感が共有されたのではと思います。

今回のパネルディスカッションは、高校生NPOの協働を通して、必要な情報を整理し、誰に、どのように届けていくのかを、多様な立場で考える機会となりました。
ポータルサイトの完成は一つの節目です。今回の挑戦が、若者たち自身の次の活動や、新たな協働へとつながっていくことを期待しています。
このパネルディスカッションの3日後には、あすしるべのメンバー主催によるシンポジウムが前橋市内で開催されました。不登校だった頃の経験を語る場となり、不登校や学校生活に悩みを抱える生徒の保護者をはじめ、学校関係者、支援者、行政関係者など約100人が集い、熱心に耳を傾けていました。
不登校を取り巻く環境は、以前と比べると少しずつ理解が進み、情報も得やすくなってきているように感じます。一方で、不登校を経験した当事者自身が、主体的に発信する場は、いまだ限られています。今回のパネルディスカッションや、その後に続いたシンポジウムは、若い世代の当事者が中心となって活動し、発信した点に大きな意義がありました。
そこには、次世代の担い手育成事業の一つであるFreecoのメンターとして、比較的年齢の近いポジションから、ポータルサイト制作の相談役を担った一般社団法人ポータル代表の古井戸さん、シンポジウム開催の実現まで伴走支援を行ったNPO法人Next Generation代表の小高さんの存在がありました。こうした支えがあったからこそ、安心して活動を進めることができたのだと思います。
今年度、NPO・ボランティアサロンぐんまでは、次世代の担い手育成事業として事業を進めてきましたが、一連の流れを通して、若い世代がさらに若い世代を支え、自分たちの「やりたい」を形にしながら、ボランティア活動や社会貢献へとつながっていく姿を見ることができました。このプロセスそのものが、エンパワメントであり、NPO・ボランティアサロンぐんまの役割だと再認識しています。
《参考情報》
群馬県ホームページ(不登校の児童生徒への支援) https://www.pref.gunma.jp/uploaded/attachment/55981.pdf
地域の福祉活動や被災地などの復旧・復興に取り組むボランティアグループやNPOを応援します。
支援金部門…1グループにつき、最高50万円(15グループほどを予定)
PC・モバイル端末購入支援部門…1グループにつき、最高10万円(30グループほどを予定)
※なお、1つのグループからの両部門への申請は受け付けませんのでご注意ください。
詳細は、社会福祉法人厚生文化事業団「わかば基金」でご確認ください。
※その他の助成金情報につきましては、【助成金情報一覧2024年9月~】をご参照ください。