8月10日(金)13:30~15:30、協働コーディネートを学ぶ 第1回「協力のテクノロジー」を開催しました。
今回は、NPO法制化等に関わり、現在は協力アカデミー代表理事である、松原明氏を講師としてお迎えし、価値観、利害関心の違う人たちと協働する方法についてお話し頂きました。
NPO関係者11名、企業関係者2名、中間支援センター7名、行政職員2名の合計22名が参加しました。
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本題に入る前に、今日はテーマが「協力のテクノロジー」ということで、参加者の自己紹介を兼ねて、それぞれが普段の活動、事業の中で「協力者を得ていくことに関して、どのようなことに困っているのか?」を付箋に書いた上で、ひとりひとり発表してもらいました。
参加者全員の課題を共有した後、講演がスタートしました。
※大変充実した内容でここでは紹介しきれませんので、ポイントだけご紹介します。
◆地域猫活動を例として
地域猫(野良猫)は、全国どこでもご近所トラブルの原因となっています。つまり「地域課題」です。
地域猫に関わる様々な人たちの利害が相反し、図に表すとこのようになっています。この図では、それぞれの求めているものが異なり、協力どころか対立関係が生じていることがわかります。
このご近所トラブルの問題を、それぞれが利益(相利)を得るように、
協力の仕組みを開発したのが「地域猫活動」です。
※「地域猫活動」とは・・
地域の問題として、飼い主のいない猫を住民やボランティア、NPO等が共同管理することで、
最終的にそのような猫をなくすことを目標にした活動。
東京のNPO法人がはじめ、東京がモデル事業化。その後全国に広がりました。
ここでのポイントは、「猫好き集まれ」と仲間を募ったのではなく、「地域猫活動」というパッケージを作り、その中で役割分担をし、利害の異なる者同士が協力関係を築いたことです。
上の図を見ると、それぞれの目指しているものは違うものの、全体として一つの課題が解決されていることがわかります。
→このように、協力者・参加者の協力する目的がみんな違い、それぞれが異なる利益を得る場合、
「それぞれがそれぞれの利益を得ること」を「相利」といいます。
「協力のテクノロジー」が目指すのは、このような「相利が実現された『協力関係』の構築」です。
地域猫活動のように、関係性が決められた役割分担のセットを「協力の仕組み」と呼びます。
この「協力の仕組み」をつくる技術が、協テクです!
◆協力のしくみをつくる~協力モデルキャンパス
前述の地域猫活動の場合・・
NPO法立法の場合・・
地域猫活動から、NPO法立法まで、
様々な課題において、お互いの関係性を超えて協力しあう仕組みができていることが
よくわかります。
◆協力の「基礎」を理解しよう
合力の5類型
協力のテクノロジーでは、前提として「世界をより良くしていくためには、人々が
『力を合わせること』(合力)が不可欠」と考えています。
→この5つの合力には、関係の型があり、それぞれ発動条件があります。
協力の発動条件として、協テクでは、共感や対話には重点を置いてません。
共感や対話の重要性を否定はしないが、重要なのは、相利開発による関係性(協力のプロダクト)の構築です。
「相利」に関しては、マンガのワンピースを例にすると、イメージしやすいです。
みな、目的は違うけれど、同じ活動をしています。
さらに、◆協力者を理解する、◆相利評価表をつくろう、というテーマでお話を頂きました。
普段何気なく使っている「協力」という言葉ですが、今回のように論理的、技術的に考える機会は少なかったので、新鮮で大きな学びとなりました。
さらに詳しく知りたい方は、講師の松原明先生の著書、「協力のテクノロジー」をご覧ください。