特定非営利活動法人 す馬いる
特定非営利活動法人 す馬いる(代表:橋本 千晶)は伊勢崎市で活動する、引退した競走馬を保護し、その馬を使って障害を持った子供たちに情操教育を行っている団体です。今回は場長の栗原 修さんにお話を聞きました。
す馬いるは引退した競走馬など行き場のなくなった馬を助けたいとの思いから始まり、今では障害を持った子供たちの機能回復を目指した情操教育やホースセラピーなどをおこなっています。
当初は障害を持った子供たちに乗馬を楽しんでもらうことが目的でしたが、現在では作業療法士も加わりより専門的な乗馬療法を行っています。
また、デリバリーホースとして松井田にある知的障害者のための宿泊施設に馬を連れて行き、乗馬を実施するなど、保育園や老人ホーム、イベントなどさまざまなところへ馬を連れて行き乗馬の機会を提供しています。
乗馬療法はヨーロッパやアメリカでは治療の一環として認められており、馬を使ったリハビリや専門家もおり保険が適用されますが、残念ながら日本では認められていません。日本でも保険が認められてほしいそうです。
栗原さんは高崎競馬場に26年間厩務員として携わっていて、レースから引退したたくさんの馬たちが廃馬になっていくのを見て胸を痛めていました。高崎競馬場が廃止されることになり、そうした馬たちにゆったりと余生を過ごしてもらいたいとの思いが強くなり活動を始めました。
スタッフは作業療法士3名に大学生のボランティアや家族の協力で構成されています。
課題は活動についての周知がまだなされていないことがあるそうです。乗馬療法では馬1頭につき3人のスタッフが必要ということもあり、ボランティアを募集しています。
馬と接することでボランティアの学生が大きく成長したり、子供が成長するのを見ているとうれしく、子どもや青年たちに馬を通して、苦しさ・楽しさ両方を味わって学んでほしいと思っています。
す馬いるにはいろいろな団体から継続的に何年も来ていますが、情操教育は障害のあるなしにかかわらず、小さい子どもほど効果が大きいので小さな子供たちにもっと来て馬に触れて乗ってほしいそうです。
栗原さんは乗馬療法をこれからも続けていき、馬で子供に夢を与えたいと語っていました。
(佐藤)
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